SEC(米証券取引委員会)は18日、大手資産運用企業フィデリティ(Fidelity)が申請しているイーサリアム(ETH)現物ETFの判断可否判断を延期することを発表した。提出書類によれば、3月5日まで延期する。
フィデリティは昨年11月、イーサリアム現物ETFの申請書をSECに提出した。提案書のなかでは、SECが先物ベースのイーサリアムETFを許可しているのにも関わらず、「イーサリアム現物ETFを拒否する理由について一貫した理由がない」と指摘している。
これはグレースケール(Grayscale)社によるビットコイン現物ETF変換について、昨年8月に裁判所が下した判決を引き合いに出したものだ。この判決は、ビットコイン先物ETFが許可されているのにも関わらず、ビットコイン現物ETFが承認されない正当な理由をSECは説明する必要があるとするものだった。
フィデリティは昨年末、イーサリアム現物ETFの実現に向けた競争に大手資産運用企業ブラックロック(BlackRock)とともに加わった。その1ヵ月前にはイーサリアム先物ETFが承認され、運用を開始している。
今回、SECは判断を延期した理由について「提案されたルール変更とそのなかで提起された問題を検討するために十分な時間が必要であり、提案されたルール変更に対して措置を講じる期間をより長く取ることが適切であると判断した」と述べている。
承認に向け明らかにする必要があるイーサリアムの有価証券性
ブルームバーグのETFアナリスト、ジェームス・セイファート(James Seyffart)氏は、SECが判断を延期することは予想されていたと述べた上で、「私は本当に重要な日付は5月下旬であると考えている」と続けた。
セイファート氏を始め、多くのアナリストはイーサリアムが法的にどのような商品カテゴリに分類されるかを明らかにする必要があると指摘している。
現在、SECはイーサリアムが有価証券に当てはまるのか明言を避け続けている。そのため、イーサリアム現物ETFの承認可否を判断する前に、まず金融商品としての性質を定めなければ話が進まないとみる声が多い。
参考:発表
画像:Shutterstock
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