英国大手銀行スタンダード・チャータード(Standard Chartered)が、ビットコイン現物ETFの流入額が500億ドル(約7兆6,500億円)から1,000億ドル(15兆3,000億円)に急増する可能性があり、これによりビットコイン(BTC)価格は年末までに15万ドル(約2,300万円)、2025年には20万ドル(約3,060万円)に達すると予測した。
半減期後の価格低迷を予測するアナリストの警戒感は高まっており、実際ビットコインは大幅な下落をみせる場面が増えてきている。
それでも、スタンダード・チャータードのデジタル資産調査責任者であるジェフ・ケンドリック(Geoff Kendrick)氏は「ビットコインの価格は年末までに15万ドル、2025年末までには20万ドルに達する可能性がある」と楽観的な見通しを述べた。
SEC(米証券取引委員会)がビットコイン現物ETFを承認する前にも、スタンダード・チャータードはビットコインの価格が2025年末までに20万ドルまで高騰するだろうと予測していた。ケンドリック氏はブルームバーグBNNとの最近のインタビューでこの強気予想を再確認した。
ケンドリック氏は注目すべき上昇の背景にある理由を説明し、米ETF市場の成長をあげた。同氏によれば、ビットコイン現物ETFへの資産流入額は、現在の120億ドル(約1兆8,300億円)から500億ドルに、さらに1,000億ドルまで増加する可能性が高いという。
ゴールド現物ETF市場に基づいた予測
ケンドリック氏の予測は、2004年の米国におけるゴールド(金)現物ETF導入後のゴールド市場の成長に基づいているようだ。ゴールド現物ETF市場が成熟すると、ゴールドの価格は約4.3倍まで上昇した。
ケンドリック氏は、ビットコイン現物ETFが同様の形で、今後18~24ヵ月以内に成熟したとすれば、同様の軌跡がビットコインで起こる可能性があると指摘した。
また、時間の経過とともに、ビットコインがより広範に受け入れられ、アクセスしやすい投資になるにつれて、ビットコインへの需要が増加し、価格が目標範囲まで押し上げられる可能性があると予想した。
さらに、投資家が最終的に「ポートフォリオの80%をゴールドに、20%をビットコインに割り当てるであろう」と示唆した。その上で、今後ビットコインが15万ドルから20万ドルに到達すると予測しているという。
ケンドリック氏は機関投資家の多額の資金がビットコイン価格を上昇させるだけでなく、価格を安定させ、過去のサイクルでみられた急激な下落の可能性を減らすことができるとも考えていると述べた。
参考:報道
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