暗号資産(仮想通貨)ワールドコイン(WLD)の開発会社TFH(Tool For Humanity)が、オープンAI(OpenAI)や大手決済会社ペイパル(PayPal)と提携を模索していることがわかった。25日、ブルームバーグが報じた。
TFHはAI大手及び決済大手と提携することで相乗効果を生み出すことに焦点を当てているようだ。
ブルームバーグの報道では詳細について述べられていないが、ブラニア氏は「私たちがどのように協力していくか、今後協力していくかということには、自然なことがいくつかある。しかし、まだ発表できる準備ができていない」と語ったようだ。現在、TFHやオープンAIと協議を行っているが、具体的な計画を立ち上げるには至っていないという。
ワールドコインとは
TFHはオープンAIのサム・アルトマン(Samuel Altman)氏と、量子情報科学及び機械学習の権威であるアレックス・ブラニア(Alex Blania)氏によって2020年に共同設立された。
ワールドコインはベーシックインカムの実現を掲げ、AIの発展に伴い煩雑化する個人認証を可能とするプロジェクトとして立ち上げられている。世界中の個人や企業がグローバルな経済にシームレスに参加し、自己の経済的な未来の形成を可能にするとしている。
ワールドコインの特徴としては、オーブ(Orb)と呼ばれる機器で目の虹彩を読み取り生成する「ワールドID(World ID)」の存在だ。これにより、ユーザーは個人情報を明示する必要なくアプリなどにアクセスすることが可能となる。
ワールドコインのネイティブトークンであるWLDは、TFHが開発、運営するアプリでの支払いや送金など、決済ツールとして使うことが用途として想定されている。
その一方で、ワールドコインはケニアやスペイン、ポルトガルなど世界のさまざまな国々で運営、営業が停止されている。規制当局はワールドコインのデータ収集方法として特に虹彩で得た個人データの使用を問題視している。
独自レイヤー2「ワールドチェーン」を発表
ワールドコインは今月、新規ユーザー登録の効率を向上させる目的で独自のレイヤー2ブロックチェーン「ワールドチェーン(World Chain)」を導入すると発表した。これは現在サービスを提供している1,000万人のユーザーの100倍にあたる10億人をサポートすることを想定したものだと説明している。
発表によれば、ワールドIDを保有していないユーザーでも利用することができる。その一方で、ワールドID保有者のトランザクションを優先するとしているほか、ガス代(取引手数料)の無料請求ができるなど、メリットも用意している。
導入時期は今夏としており、詳細な日程は後日発表される予定だ。
参考:報道
画像:Shutterstock
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