TON Foundationは、ブリッジ機能「TON Teleport BTC」を発表した。
これは、Telegram Open Network(現在はThe Open Network=TON)との間で信頼不要で安全なビットコイン(BTC)の転送を容易にするために設計されたブリッジとなる。
この取り組みは、TONプラットフォーム上の分散型金融(DeFi)でビットコインを使用できるようにすることで、ビットコインの有用性を拡大することを目的としている。
TON Foundationによると、TON Teleport BTCはシームレスなビットコイン転送が可能となり、TONにブリッジされた各ビットコインが実際のビットコインによって安全に裏付けられることを保証するという。
これにより、ユーザーは中央仲介者に頼ることなく、TON上で貸付や分散型取引所(DEX)取引などの活動に従事できるようになる。
TON開発者は、トランザクションはスマートコントラクトを介して実行され、TONブロックチェーンバリデータにより検証され、従来のビットコイントランザクションと比較して、コストを削減しながらセキュリティを強化することを目指していることを明らかにした。
TON開発チームは、「TON Teleport BTCは将来の統合の基盤を築き、真に相互接続されたブロックチェーンエコシステムへの道を切り開きます」とXの投稿で述べた。
TON Foundationはこの取り組みにより、ビットコインがより適応性の高い資産となり、TONエコシステム内で報酬を獲得する新たな可能性が開かれると予想している。
この発表はTONが過去数カ月間に時価総額でトップ10の暗号資産に急上昇したことと一致している。TONは8.25ドル(約1,295円)という記録的な上昇を見せたあと、現在は7ドル台(約1,010円)を推移している。
Telegram社が開発したTON
TONは月間7億人以上の利用者を誇る、メッセージングアプリTelegram内で利用されるTONブロックチェーンを基盤とした暗号資産。
Telegramを開発した、デュロフ(Durov)兄弟がTONの開発に携わっている。2018年に開発されたものの、2020年米証券取引委員会(SEC)の規制により、Telegram社はプロジェクトからの撤退を決め、サービスも停止かと思われたが、2021年にTelegram社とTONのコミュニティで構成されたTON Foundationによりプロジェクトが引き継がれ、現在の暗号資産TONとTONネットワークを運営している。プロジェクトがTON Foundationに引き継がれてからは、「The Open Network」に名称が変わった。
特徴としては、高速な取引処理速度、スケーラビリティ問題を解消する技術、Telegramでの送金機能などがあげられる。
NFTの購入やゲーム内での決済などのユースケースはもちろん、Telegram内で利用可能なさまざまなユースケースでも使用することができる。
また、Telegramの提供会社も積極的にTONブロックチェーンを用いたアプリケーション開発に携わっているため、今後のTelegram内でのユースケース拡大による、TONの保有者や需要も増加すると見込まれている。
参考:公式発表、TON・Xアカウント
画像:Shutterstock
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