ロンドン証券取引所は11日、特定の暗号資産(仮想通貨)を対象とするETN(上場投資証券)について、今年の第2四半期に上場申請の受け付け始めると発表した。
FCA(英国金融行動監視機構)の新ガイダンスを受けたもので、ビットコインETNとイーサリアムETNの申請受付を開始する。
FCAは同日の声明で「ETN上場という取引所からの要請に反対しない」と表明した。また、暗号資産ETNは金融市場での活動を認可、あるいは規制されている投資会社及び信用機関などの機関投資家のみが利用できると説明。個人投資家にとっては「害がある」として、取引を認めない方針を示した。
今年に入り米国でビットコイン現物ETFが承認されたが、英国においても伝統的な金融市場で取引が行われようとしている。FCAは2021年1月に一般投資家に対する暗号資産中心のデリバティブとETNの販売、マーケティング、流通を禁止していた。
FCAは対象となる暗号資産のコールドウォレットでの保管を義務化する方針で、発行者は第三者による監査報告書を提出し、規制されたカストディアンを確保する必要があると述べている。
ロンドン証券取引所は暗号資産に関するFCAのガイダンスを踏まえ取引自体は認めるものの、「取引所の評判に悪影響を与える可能性がある」と暗号資産ETN認可ファクトシートのなかで述べるなど、慎重な姿勢は崩していない。
また、「商品の性質とファクトシートに記載されているガイダンスを考慮すると、標準的な取り入れのスケジュールは暗号資産ETNには適用されない」として、「発行者とそのアドバイザーは提案されている承認について、早い機会に取引所と連絡を取る必要がある」と付け加えている。
ビットコインは再び最高値を更新
ロンドン証券取引所らの発表を受け、ビットコイン価格は史上最高値となる72,000ドル(約1,060万円)まで上昇し、イーサリアムも4,000ドル(約58万円)の大台を超えた。日本円ベースではともに最高値を更新し、イーサリアムについてはドルベースでも更新の期待がかかる。
SEC(米証券取引委員会)は1月、物理的に裏付けされたビットコイン現物ETFを承認したが、イーサリアム現物ETFについては判断を延期している。依然としてSECはイーサリアムが証券に該当するかを判断できていないため、現物ETFの実現は不透明な状況といえる。
参考:発表
画像:Shutterstock
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