国内暗号資産(仮想通貨)取引所コインチェック(Coincheck)は6日、暗号資産ラップドビットコイン(Wrapped Bitcoin=WBTC)の取り扱い開始を発表した。11日午後より取り扱いを開始する。なお国内取引所においてWBTCの上場は初の事例となる。
上場後はWBTCを保有するユーザーが少ないことから、売り需要が買い需要に比べて不足することが想定される。そのため、買い需要と売り需要のバランスを保ち、利用者にスムーズな取引環境を提供するため、取り扱い開始から一定期間は取引所への流動性供給を実施するという。
注文数量は1.5WBTCで期間は11日から18日までの予定。発注方法は自動発注システムにより実勢価格に沿った指値で発注する。
WBTCはビットコイン(BTC)を ERC-20形式に標準化することで異なるチェーンで発行されているビットコインとイーサリアム(ETH)との互換性を実現しているのが大きな特徴だ。また、暗号資産のカストディ(管理・保管)サービスにより、ミントとバーンを行い供給量を調整することで、1WBTC=1BTCの価格連動を実現している。
これまでは、保有するビットコインをDeFiで運用したい場合、ビットコインをERC-20に準拠した暗号資産に交換する必要があったが、WBTCを利用すれば、ビットコインを保有したままイーサリアムブロックチェーンに構築されたDeFiを利用することができる。
たとえば、ビットコインをそのままERC-20規格で有名なDEX(分散型取引所)のユニスワップ(Uniswap)やスシスワップ(SushiSwap)で利用することはできないが、WBTCであれば利用可能だ。
国外取引所ではバイナンス(Binance)、ホットビット(HotBit)、コインベース(Coinbase)、ユニスワップなどでの取り扱いがある。供給量は16万3,106WBTCで、時価総額は記事執筆時点で約45億ドル(668億円)の16位だ。
参考:発表
画像:Shutterstock