NTTドコモは5日、ステップン(STEPN)やガスヒーロー(Gas Hero)などのブロックチェーンゲームを開発しているFSLグループと提携し、ユーザーが自分好みのNFTをみつけられるように支援するNFTレコメンド技術を活用して、NFTマーケットにおけるNFTの1次流通と2次流通を促進させる実証実験を行うことを発表した。
本実験はWeb3.0プロダクトの開発を行うFSLグループが運営するNFTマーケットプレイス「MOOAR」にて行う。
MOOARにドコモが開発したNFTレコメンド技術を連携させ、ユーザーがMOOARでコンテンツを購入する1次流通と、そのユーザーがMOOARにて売り出したコンテンツを別のユーザーが購入する2次流通以降に、レコメンドがどのように購入の支援ができるかを検証していく。
具体的には、NFTの売買において、ゲームを有利に進めようとする外的な要因が加わった状況下でも適切にNFTレコメンドが機能するかを検証することが目的となる。検証期間は4月5日から約1年間を予定している。
また、本実験にはブロックチェーンゲーム「ガスヒーロー」とコラボした限定のNFTコンテンツを用いて、FSLグループが発行する暗号資産(仮想通貨)を活用する。
検証内容は、ユーザーの趣味嗜好の要件にガスヒーローの取り扱うNFTコンテンツの組み合わせでゲーム内にて有利な局面を作り出せる条件を加えて、ある特定の組み合わせのNFTコンテンツを持っている場合に、適切な推薦が可能かどうかを検証する。
GasHeroコラボNFTの販売期間は4月8日~13日。価格は6,000GMT以上でオークション形式にて順次販売する。
これまでもドコモは、FSLグループと連携してWeb3.0に関する技術検証を行ってきたが、本実験を通じてさらなるWeb3.0の普及と社会実装の加速を目指すという。
AWS等と連携しレコメンド技術を構築
NFTレコメンド技術は、「ブロックチェーンの情報を所得する装置」、「AI技術(Graph Neural Network)を用いて、ユーザーのウォレットとNFTの間のつながりの強さを予測するトークングラフの解析装置」、「NFTマーケット側からの要求に応じて、ユーザーのウォレットに適した最適なNFTコンテンツを即時に応答するための牽引装置」の3つの装置で構成されていると説明している。
発表によると、これらの装置はそれぞれアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)などのパートナー企業と、DOCOMO Innovations,Incなど海外の研究開発拠点とも連携して開発を進めてきたという。
さらに本技術は最新のAI技術「GNN(Graph Neural Network)」も活用し、Web3.0時代の人間関係や結びつきともいうべき「トークングラフ」の解析を行うことで、ユーザーがさまざまなNFTのなかから好みに応じたものをみつけられるように支援することが可能になっていると述べる。
なお、ドコモはこれまで本技術のNFTの1次流通における効果検証を、個々の趣味嗜好による購買が強くあらわれる音楽分野で株式会社ゐきかたが運営、提供する音楽NFTプラットフォーム「Sound Desert」を通じて行っていた。
今後ドコモは、本技術を活用して「推し活」における熱量など、これまで可視化できなかった価値をトークン化し、交換することでファンコミュニティを拡大する取り組みを、ドコモが開発したメタバース上のコミュニケーションサービス「MetaMe」で提供することも目指す。
参考:発表
画像:Shutterstock
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