──お二人の経歴を教えてください。
Varun:私はHibachiの共同創業者の1人ですが、その前には「Hashflow」というRFQ(リクエスト・フォー・クオート)型DEXを共同創業しています。さらにその前には、航空宇宙エンジニアとして人工衛星システムの開発に携わっていました。トレーディングにかかわり始めたのは2016〜2017年頃からです。
Chip:私はマーケットストラクチャーの専門家としてキャリアを積み重ねてきました。最初はオプションのマーケットメイカーや、FXのインターバンク市場のトレーダーとしてスタートしました。
その後はテクノロジー分野に移り、SunGard GMIのグローバル営業・戦略責任者を務めました。SunGard GMIは世界中の上場デリバティブのバックオフィスシステムです。さらに、シカゴ商品取引所(CBOT)で成立したすべての取引を保証・清算する専門機関であるBoard of Trade Clearing Corporation及び、Options Clearing Cooperationでチーフコマーシャルオフィサー(CCO)も担いました。
その後は独立コンサルタントとして、アフリカ・アジア・豪州で先物取引所や清算機関の設立を支援。加えて、Morgan Stanleyの戦略投資チームで金融市場インフラ企業や取引所、フィンテック企業への投資も担当しました。
実はその後、東京でSBIグループのコンサルティングも1年ほど行なっていたんです。以降は暗号資産・デジタルアセット分野に取り組んでいます。
──Hibachiを立ち上げた背景を教えてください。
Varun:まず名前についてですが、私たちは日本が好きなんです。日本に関連する名前を探していて、「火」に関係する言葉が良いと思いました。その過程で、「Hibachi(火鉢)」 は日本語で「グリル」を意味する言葉なので、ぴったりだと思い採用したんです。
私たちは昨年、プライバシー重視のCLOB(中央指値注文板) を持つプロダクトをローンチしました。そして市場を分析した結果、現在十分にサービス展開されていない市場がFX市場であることに気づきました。
多くの取引所は、Hyperliquidのようなモデルをコピーしています。つまり「パーペチュアルDEX」「ポイントプログラム」「ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)の流動性」など「あらゆるものを扱う取引所」です。
しかし、私たちは暗号資産市場で同じユーザー層を奪い合うのではなく、より大きな市場に挑戦すべきだと考えました。そこで目を付けたのがFXです。
FX市場は非常に巨大です。さらにステーブルコインの普及が進むと、ステーブルコインFX市場は大きく変革される可能性があると考えています。
私たちは、今後数ヵ月のうちに現物FXやデリバティブを提供し、よりFXに特化した形に進化する予定です。最終的には、FX取引のための主要な取引所を構築することが目標です。
──プライバシー重視のCLOBとゼロ知識証明(ZKP)を組み合わせた設計について、ほかの取引所との差別化のポイントを教えてください。
Varun:正直にいえば、インフラ自体はすでに差別化要因ではなくなっています。
現在、プライバシー重視の取引所やレイヤー1ブロックチェーンなどは比較的誰でも作れる時代です。重要なのは 「どの市場を対象にし、どの顧客にサービスを提供するか」です。
Hibachiの特徴は次の通りです。
今後はWebSocketやFIXプロトコルなど、機関投資家向けAPIにも対応していく予定です。
さらに注文板がオフチェーンであるため、「ポジションが公開されない」「プライバシーが守られる」という機関投資家にとって重要な点も大きなメリットです。
一方で、取引所の健全性はオンチェーン上で公開します。これにより、かつて破綻したFTXのような問題を防ぎ、誰もが健全に運営されていることを確認することができます。