本イベントでは、モデレーターをForbes Japan web 編集長の谷本有香氏が務め、スピーカーに自民党web3プロジェクトチーム(PT)座長・平将明衆議院議員を迎えた特別ゲスト対談が行われた。「“日本をweb3先進国に!”国家戦略におけるweb3政策と自民党web3PTの最新動向」と題されたセッションでは、国家戦略としてのWeb3.0政策について語られた。
▶︎左からForbes Japan web 編集長・谷本有香氏、自民党衆議院議員・平将明氏
まず、平氏は引き続き盛り上がるAIについて言及し、「AIの台頭でWeb3.0は終わったなどと評価する声もあるがそれは違う。AIとWeb3.0は両輪で進めていかなければならない国家戦略だ」と強調した。
その上で、自民党のweb3プロジェクトチームが先日発表した「web3ホワイトペーパー2024」において「暗号資産取引の損益を申告分離課税の対象にすべき」とした提言に触れ、「徐々に税制面でも環境は整備されつつある。依然としてキャピタルゲイン税制や暗号資産同士の交換においても税金が発生する点は課題として認識している」と語った。
また、合同会社型DAOに関する進捗についても、国家として初めて明確に法律で規定した点をあげ、今後のDAOに関する取り組みの活性化に期待を寄せた。
さらに、今後については特にゲーム領域に注目しているとし、ブロックチェーンゲームがよりシームレスにプレイできるようにするためにも、暗号資産税制の解決が重要になるとの認識を示した。加えて、「ふるさと納税×Web3.0×NFT」のように、NFTは地方の価値を特別な体験として提供する上では相性が良いとも語っている。
豪華スピーカーたちがイベントを彩る 「資産運用の未来」と題したパネルディスカッションでは、本イベントを主催したDeFimansの小野氏がモデレーターを務め、スピーカーにはSBI Zodia Custody社・狩野弘一氏、Laser Digital Japan社・工藤秀明氏、アビームコンサルティング社・森田直樹氏が登壇。
Web3.0領域における投資・取引に関するトレンドや、ウォレットの管理などが話題となった。概ね、現在のWeb3.0ネイティブなユーザーがウォレットを何個も持っていることで管理が煩雑になっている点や、事業者目線においても税制を含めたさらなる環境整備が必要との意見に集約された。
その上で、「B to BモデルのWeb3.0ビジネスがさらに成長する可能性」「この領域はユーザーたちと対話を進めながら形にするもの。この機を逃すわけにはいかない」などの声も聞かれた。
▶︎左からDeFimans・小野氏、SBI Zodia Custody社・狩野弘一氏、Laser Digital Japan社・工藤秀明氏、アビームコンサルティング社・森田直樹氏
最後のセッション「ID x web3最前線」では、モデレーターを前述した小野氏が担当し、スピーカーにはKort Valuta社の柴田秀樹氏と、合同会社暗号屋の柴竹佑騎氏が登壇した。
このディスカッションではIDがブロックチェーンやWeb3.0と関わっていくとどのような世界になっていくのかという内容が語られた。また、現在のウォレットが乱立する状況について「ブラウザ戦争に似ている」と語られた点が印象的であり、参加者からも同意を得ていた。
さらに、現在あらたな取り組みを行う上で福岡県福岡市が非常に前向きな自治体であるとして触れられ、同市のサンドボックス制度や国家戦略特区としての状況を鑑みると、「あたらしい事業者にとってチャレンジしやすい環境」として紹介された。
▶︎左からDeFimans・小野氏、Kort Valuta社・柴田秀樹氏、合同会社暗号屋・柴竹佑騎氏