アイデアを“金融商品”へと昇華させる──Paragonが目指す「S&P 2.0」への挑戦

2026/05/12 17:00PR
Iolite 編集部
文:Iolite 編集部
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アイデアを“金融商品”へと昇華させる──Paragonが目指す「S&P 2.0」への挑戦

暗号資産関連のインデックス先物を提供する「Paragon」

2026年4月、Hyperliquid上でパーペチュアル・インデックス市場をローンチしたParagon。現在、「暗号資産市場全体の時価総額に対するビットコインのシェア」をインデックス化した商品など、3種類の暗号資産関連のインデックス先物を提供している。

Paragon image

なぜ暗号資産のインデックス市場に焦点を当てたのか、また今後どのような展開を考えているのか。創設者のEl-Magbri氏に話を聞き、「Paragonとは何か?」を紐解いていく。

きっかけは暗号資産インデックス商品が存在しない“違和感”

──El-Magbriさんの経歴と、暗号資産業界に参入したきっかけを教えてください。

El-Magbri:もともと大学時代から暗号資産の取引をしていたことがきっかけで、2019年頃からフルタイムで業界に参入しました。その後、ソラナエコシステムにおける財務管理ツールの構築や、ステーブルコインを始めとするRWA(現実資産)トークンのデータ分析サイト「RWA.XYZ」のサービスリリースに貢献しました。

Paragonを立ち上げる前は「Meridian Labs(メリディアン・ラボ)」というプロダクトラボを設立し、デリバティブのマッチングエンジンやステーキング・アズ・ア・サービス(SaaS)など、ブロックチェーンに関連する資本市場技術の開発を専門的に行なっていました。

2025年6月にMeridian LabsをGalaxy Digitalへ売却し、Paragonを始動させました。

 

──Paragonはどのような背景から立ち上げたのでしょうか? 

El-Magbri:プロダクトスタジオを売却した後、私自身もトレーディングを頻繁に行っていました。以前からマーケットに関心があり、自身のチャート分析やワークフローにおいてビットコインドミナンスやTotal2(ビットコインを除く時価総額合計)などを日常的に活用していたんです。

その過程で、多くの人々がS&P 500や日経平均株価を追っているのに対し、自分たちが毎日みているチャートに対して直接的な見解を示す金融商品やETFが存在しないことに違和感を覚えました。

その時、S&P 500のような金融商品が存在するのだから、暗号資産に関連した指数でもHyperliquid(ハイパーリキッド)やHIP-3といったエコシステムを活用すれば、同様のことが実現できると考えたのです。

Paragonが実現したいことは、このようなアイデアをトレード可能な金融商品に変えることです。

AIやコンピューティングといったあたらしい資産クラスが次々と生まれる現代において、Paragonはあたらしい世代のオンチェーン市場におけるスタンダードと手法を定義していきます。

取引可能なベンチマークを構築できる「S&P 2.0」としての強み

──ほかにはないParagonの強みや優位性について教えてください。 

El-Magbri:私たちはトレーダーが注目しているテーマに対して「買いボタン」と「売りボタン」を作ろうとしています。私たちは自らを「S&P Dow Jones Indicesの進化版(S&P 2.0)」であると考えています。市場のトレンドの変化やあらたな資産の形成にあわせて、即座に取引可能なベンチマークを構築しているからです。

多くの場合、個別の銘柄に対する見方を持つ前に、まずトレンドや資産クラスの方向性についての見解を持つものです。そうした一般的なトレンドそのものをトレードできるようにする。これこそが、Paragonが提供しようとしているツールキットなのです。

たとえば、一般的な金融取引だと日経225やSPDR S&P 500 ETF Trust(SPY)、Invesco QQQ Trust(QQQ)のポジションを保有し、マクロな視点で取引を行うことができますよね?しかし、こうしたツールは暗号資産の世界にはまだ存在していないと考えています。Paragonは、こうした「トレンドを取引できるツールキット」を提供したいと考えています。

また、チームのバックグラウンドも強みです。私自身はバリデータやオラクルのインフラ領域の出身であり、CTO(最高技術責任者)もブロックチェーンネットワークのオラクル運営に深い経験を持っています。

組織の全員が、ハイパフォーマンスなDeFiやHFT(高頻度取引)に関連したキャピタルマーケットに関する豊富な経験を有しており、これがHIP-3での展開において非常に有利に働いています。

──Hyperliquid上での展開、そして現在展開しているインデックス先物に焦点を当てた理由はなんでしょうか?

El-Magbri:Hyperliquidは、バラバラのパーツを繋ぎ合わせるのではなく、プラットフォームとして構築できる次世代のオンチェーンエコシステムを体現しているからです。プロダクトを構築する上で、普及しているUSDCの存在やオーダーブックの流動性を活用できることは、PMF(プロダクトマーケットフィット)を見出だすための最短ルートでした。

インデックス先物に関しては、人々の関心がどこにあるかを重視しています。ビットコインドミナンスなどは、TradingViewやDiscordで日常的に議論され、チャート化されていますよね。

すでに存在するメンタルモデルを定義し、アクション可能なものにする。これは非常にわかりやすいPoC(概念実証)です。私たちは今後も、こうしたアプローチをさまざまな資産クラスで展開していく予定です。

──今後ほかのインデックス先物を展開する予定はありますか? また、具体的なローンチ時期は定めていますか? 

El-Magbri:現在いくつかのプロダクトを計画しています。先日には、Hyperliquid上でティッカーシンボル「$H100」を登録しました。同プラットフォーム初となる「取引可能なコンピューティング資産」の導入を目指しています。

また、Hyperliquidのエコシステム向けに、あたらしいDeFiプリミティブを開発しています。これは、DeFiにおける資産管理や戦略運用をより効率的に行えるようにするものです。この件については、近いうちに発表できると思いますので、ぜひチェックしていただければと思います。

追加の先物ペアについては、私たちの最初の取り組みであるクリプトネイティブなインデックスに近い方向で、さらに展開していく予定です。たとえば、ほかのドミナンス系指標や、ステーブルコインのドミナンスなども非常に興味深く、有用性が高いと考えています。

繰り返しになりますが、「今、人々の関心の中心にあるもの」をトレード可能にするというコンセプトがParagonの軸にあります。つまり、タイムラインやニュースで話題になっているものであれば、それに対するデータフィードを構築できる限り、それらをプロダクトとして成立させていく可能性があるということです。

1つのポジションで狙ったトレードを正確に表現

──現在はレバレッジ50倍といったプロ好みの機能を打ち出していますが、将来的に現在のS&P500のように、「貯金感覚で暗号資産インデックスを積み立てる」ような、一般層向けのプロダクトへと広げていくビジョンはありますか?

El-Magbri:まず、レバレッジについては柔軟に調整可能ですので、より低いレバレッジで運用したい場合でも問題なく対応できます。その上で、リテール向けのプロダクトとして広げていくことはもちろん必須だと考えています。

私たちは自社を単なる暗号資産企業だとは捉えておらず、むしろマーケットインフラを構築するプロジェクトだと位置づけています。そして、その取り組みの1つとして、Hyperliquidにこれまで参加したことのないあたらしいユーザーを呼び込むことを目標にしています。それは、これまでHyperliquidで取引したことのない普通の人が参加するような環境を作ることを意味します。

そのために、よりトラディショナルファイナンス寄りの、リテール向けフロントエンドを提供するパートナーとの連携も進めています。こうした状況からも、リテール向けの展開は明確な計画として現在進行形で進めているものです。

──ユーザーはParagonを利用することでどのようなメリットを得られるのでしょうか?独自のインセンティブ設計や計画があれば教えてください。

El-Magbri:現在はローンチ段階ということもあり、トレーディング大会を開催して頻繁にインセンティブプログラムを実施しています。

しかし最も強調したいのは、私たちのプロダクトが「1つのポジションで狙ったトレードを正確に表現できる」という点を解決していることです。

たとえば、伝統的な金融の文脈で「ゴールドをロングしてテック株をショートする」といった考えがある場合、S&P 500 ETF Trust(SPY)をロングしたり、Invesco QQQ Trust(QQQ)をショートすることで、自分のマクロな見方を1つのポジションで表現できますよね。それと同じように、私たちはトレーダーが持っている投資仮説に対して、よりダイレクトなエクスポージャーを提供しています。

従来であれば、複数の銘柄を組み合わせたり、複数のポジションを持ったりと、運用が複雑になりがちでした。

しかし、たとえば「ビットコインがアルトコインを上回る」あるいは「アルトコインがアウトパフォームする」という見解を持っている場合、私たちのインデックスを利用することで、運用上の負担が少なく、よりクリーンに取引を行うことができます。まさにこれが、私たちが提供している価値です。

「アイデアを金融商品に変換すること」に注力

──現状のDeFi及びパーペチュアルDEXの課題をどのように認識しておりますか?また、Paragonはこれらの課題をどのように解決していきますか? 

El-Magbri:昨今のハッキング事例をみると、その本質は「ヒューマンエラー」に起因しており、それがAIに悪用されているケースが多いと感じています。マルチシグの設定ミスやデバイスの管理不足などが原因とみられ、適切なセキュリティ対策を講じていれば、こうした脅威は十分に防ぐことが可能だと考えています。

また、DeFiに限ったことではないですが、現在の暗号資産市場には「プロダクト中心の思考」が不足していると感じます。摩擦を解消したり問題を解決したりすることに関係のない複雑なものが多すぎます。

本来、あらゆるプロダクトは「何を良くするのか」「どの問題を解決するのか」が中心にあるべきです。しかし現在の暗号資産領域では、時にその順序が逆転し、仕組みや金融設計が先行してしまうケースがみられます。

こうした背景も踏まえると、暗号資産業界における大きな課題の1つは、「プロダクトありきで考える」という姿勢がまだ十分に浸透していないことでしょう。これが改善されていけば、より成熟した市場に近づいていくはずです。

──Paragonの今後の展望を教えてください。また、現在思い描いている「Paragonの未来像」について、どのように考えていますか?

El-Magbri:先述したように、Paragonは「S&P 2.0」のような存在として位置づけています。これからの市場がどのように機能するのか、その“基準”や“方法論”を定義する役割を担いたいと考えています。

私たちのミッションは、「アイデアを金融商品に変換すること」です。この役割は、今後10年規模でみても非常に大きなビジネスチャンスになると考えています。

また、Paragonの目標は単に暗号資産領域で価値のあるプロトコルを作ることにとどまりません。私たちは、市場における中核的なインフラストラクチャ、そして「取引可能な合意」の基盤となることを目指しています。

私たちのビジネスの面白い点は2つあります。1つ目は、「あたらしいアイデアのフロンティアを定義するための方法論を自ら考案できる」こと。2つ目は、それを実際の市場として機能させるために、先物市場の運用にかかわる「高度なエンジニアリングや数理的な課題にも取り組める点」です。

つまり、アイデアの定義から、それを動かす市場インフラの構築までを一貫して担う。それが私たちの描く長期的なビジョンです。

現在、ParagonのマーケットはHyperliquidのフロントエンドを通じてアクセス可能です。あたらしいマーケットについても順次そこで発表していきますので、ぜひ注目してください。

詳細はこちら:Paragon.trade

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