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注目集めるTONの現在地 「TON New Year Party」イベントレポート

2025/01/22Iolite 編集部
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注目集めるTONの現在地 「TON New Year Party」イベントレポート

2024年を代表するプロジェクトの1つであるTON

1月20日、Web3.0領域で注目を集め、2024年を代表するプロジェクトの1つとなったTON(The Open Network)のネットワークイベントが開催された。

TONは、世界で約10億人が利用するグローバルなメッセンジャーアプリ・テレグラム(Telegram)の創始者であるデュロフ(Durov)兄弟が立ち上げたブロックチェーンプロジェクト。現在、非営利団体のTON Foundationにより開発・運営が行われている。

そんなTONは、昨年テレグラム上でプレイ可能なブロックチェーンゲーム「ハムスターコンバット(Hamster Kombat)」の登場により注目度が大幅に上昇。以降、テレグラム上でミニアプリ開発が盛んに行われている。

2025年はTONを活用したdAppsやプロダクトがさらに増加することも予想されるなか、TON及びTMA(Telegram Mini Apps)関連の日本におけるアクセラレーターであるTON Japanがイベントを開催。TONの現状や今後の取り組みなどについて語られた本イベントにIoliteも参加した。

TONのコミュニティや開発者規模は拡大し続けている

イベントに登壇したのは、TON Japanの代表である佐々木亜留氏を始め、TON SocietyのパートナーシップリードであるLucy氏らTONコミュニティと、0x Consulting Groupの代表である細金恒希氏などだ。

TON Japanの佐々木氏は、現在のTONの状況や現在成果をあげているプロジェクトなどを紹介した。そのなかでも、独自ユーザー相互送客プログラムサービスである「Apps Network」が好調であることを強調した。

その上で、TON Japanは海外から日本へ、また日本から海外へTONを活用したサービスを展開したい事業者などのサポートを行っているとし、パートナーシップ企業が増加していると述べた。

▶︎TON Japan・佐々木氏

 次に登壇したTON SocietyのLucy氏からは、現在コミュニティが存在する国など、主にコミュニティ活動に関して話が行われた。

TON SocietyはTONブロックチェーンコミュニティを支援するための機関であり、メンバーのつながりやTONに関する啓蒙活動などをミッションとして掲げる。現在、アジアやヨーロッパの9つのグローバルイベント拠点、そして50以上のTONチャンネルで活動しており、TON最大のコミュニティイベント「The Gateway」を主催する。

Lucy氏からは、「Hackers league 24 summer」といったイベントの開催についても紹介が行われた。特にこのイベントでは2,000に及ぶアプリケーションがイベント期間中にTON上で構築されたことなどが報告された。

▶︎TON Society・Lucy氏

TON Japanと0x Consulting Groupが提携

イベントの中盤では、TON Japanと0x Consulting Groupが包括的パートナーシップを締結したことが発表された。0x Consulting GroupはWeb3.0ビジネスにおけるコンサルティングを手がけており、NFT/FTを活用したあたらしいビジネスモデルの構築、マーケティング戦略立案、コミュニティ設計・運営、データ分析など提供するサービスは多岐にわたる。

▶︎左からTON Japan・佐々木氏、0x Consulting Group・細金氏

このパートナーシップはTON上で構築されたゲームを浸透させることを大きな目的としており、TON Japanが提供するサービス及びTONの啓蒙活動が加速することになると説明している。0x Consulting Groupの細金氏は、日本におけるTONのマーケティング強化を担うとともに、国内外問わず日本のゲームを広く浸透させるべく双方の強みを活かしていくと語った。

テレグラムのイメージ改善が普及のポイント

イベントの終盤ではパネルディスカションが行われた。登壇したのは佐々木氏とLucy氏に加え、コインポストから酒井良氏、0x Consulting Groupから川口美樹氏の計4名だ。

このディスカッションでは2024年に業界が盛り上がった理由をそれぞれの視点で振り返ったほか、2025年以降の今後の展開について語られた。

特にTONを日本で展開する上での課題について、テレグラムのイメージ改善に言及された点は印象的だ。テレグラムは匿名性の高さから犯罪利用されるケースがあり、日本においてもイメージが決していえないのが現状だろう。加えて、TONを利活用する日本ユーザーが少ないことも課題の1つとしてあげている。

一方、ビジネス面でのメリットとして、2025年はユーザー基盤などを加味してマネタイズがしやすくなったり、より多くのユーザーを巻き込むことが可能になるのではないかという声もあがった。また、TONはまるでゲームの一種のようにDeFiを展開していることから、今後も規模を拡大していくことが予想されるとし、その波が2025年中に日本にも訪れるかもしれないというポジティブな意見もみられた。

TONの現在地を知る

イベントはTONの現在地だけでなく、課題や日本での展開など、幅広い情報を知ることができたものであったと感じる。そして参加者が聞き入って各人の話を聞いていた点も印象的で、TONがそれだけ注目を集めていることがうかがえた。 

▶︎ネットワーキングの様子

現在、暗号資産(仮想通貨)市場は米大統領に就任したトランプ氏への期待から好調に推移している。しかし価格が落ち着いた頃には世の中の関心度は低下し、プロジェクトの撤退なども増加することが予想される。しかし実需に伴ったプロジェクトであれば、たとえ相場が冬の時代に突入したとしてもユーザーは利活用し、その規模は着々と拡大していくだろう。

そうした意味でも、今後のTONの展開は引き続き注目を集めるものとみられる。

画像:Iolite及びTON Japan

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