暗号資産

クリプトYouTuber・Joe Takayamaが新ファンド組成 経緯とビジョンを独占取材

2024/11/21 18:17 (2025/03/17 13:42 更新)
ナガトモヒロキ
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クリプトYouTuber・Joe Takayamaが新ファンド組成 経緯とビジョンを独占取材

インフルエンサーがファンドを組成 国内Topクリプトインフルエンサーの次なる一手

YouTube登録者数約10万人を誇るクリプトインフルエンサーがWeb3.0領域での活動を加速させる。自身の経験をもとに、これまでに数々の動画コンテンツ等を世に解き放ってきたJoe Takayama氏。 

はたして、Joe氏とはどのような人物で、自らが組成するファンドはどのようなものなのか。徹底的に深掘りしていきブルマーケットに向けた戦略を紐解く。

ナガトモヒロキ (以下、ナガトモ):現在クリプトYouTuberとして知られているJoeさんですが、YouTubeを始めたきっかけは何ですか?

Joe Takayama(以下、Joe):最初はVlog形式で配信をしていました。

ある時、中国と米国の政治的対立に関するニュースについて、この出来事が株式市場にどのようなインパクトを与えるかという解説動画を投稿したところ再生数がとても伸びたんですね。

それがきっかけでニュースと株式市場の関係性について解説するようになりました。その後、友人の勧めもあって同じ切り口で暗号資産の専門チャンネルを開設することになり、現在の形に変わってきました。

2021年当時はテクニカル分析をするYouTuberはいても僕のようにマクロ経済関連のニュースがどのようにマーケットにインパクトを与えるかを解説しているYouTuberはいませんでした。

なおかつ、金融機関勤務のバックグラウンドを持っている人があまりいなかったので、そういった自分自身のエッジを活用して情報発信をすればクリプトジャンルでも伸びるのではと思いました。

ナガトモ:YouTubeチャンネルを運営するなかで流れが変わったポイントはありましたか?

Joe:正直バズったことは一度もないのですが、今やっている“YouTuber兼投資家”に移行できたタイミングがありまして、それが2021年の11月頃でした。

当時さまざまなプロジェクトから宣伝の依頼がきていたものの、自分のチャンネルで宣伝をするのは嫌でした。そうしたなかで「投資しませんか?」という案件が来て投資をしたのですが、それがとてもうまくいったんですね。 

いわゆるシード、プレシード期のプロジェクトだったのですが、その後も立て続けに2件投資したプロジェクトがうまくいって、YouTubeをやりながら投資をするスタイルの可能性を感じました。

ナガトモ:投資家としては具体的にどのような活動をされているのでしょうか? 

Joe:上場前のWeb3.0プロジェクトに投資をするエンジェル投資家としての活動をしております。

さまざまなプロジェクトに触れる機会や投資家に会う機会も多いので、プロジェクトの資金調達のサポート以外にもプロジェクトが事業開発をしていくなかでこういう人に会いたいとか、コラボ先を探したいなど、必要なリソースを提供する為のサポートも行っています。

カンファレンスをきっかけにドバイへの移住を決意

ナガトモ:現在ドバイを拠点に活動されておりますが、きっかけは何だったのでしょうか? 

Joe:投資家としてプロジェクトを探したり、VCとの交友を深めるために世界各地のカンファレンスに出席をしていたのですが、海外に出た方がチャンスが広がると感じるようになりました。

大きなきっかけとなったのは昨年9月にシンガポールで開催された「TOKEN2049」ですね。そこで一気に交友関係が広がったことであたらしい挑戦ができると確信したので移住を決意しました。

ナガトモ:YouTuberとして活動していて良かったことはありますか?

Joe:カンファレンスに行った際、すでに自分の認知がされているので、いろいろな方とお話しできることですね。

登録者数が増えていくなかで感じる部分は、発信者としてのYouTubeチャンネルから1つのメディアとして、これまで直接お話をさせていただくことがなかったような方々達とも、お話をさせていただける機会に恵まれたり、企業の方が僕の提案を受け入れてくれたりするようになったことは、大きなメリットですね。

新ファンド「Beast Ventures」組成の経緯とビジョン

ナガトモ:今回あらたに「Beast Ventures」というファンドを組成するとのことですが、これにはどのような意図があるのですか? 

Joe:さまざまなきっかけがありますが、まずはYouTubeを使って情報を発信することと、投資家というものをもう少し大きなスケールでやって行きたいと思うようになったことですね。

世界を見渡すと、たとえば米国ではすでにKOL(Key Opinion Leader:発信力のある人たち)がファンドを組成するなどの事例があり、実際に昨年100ミリオンドルくらいの調達に成功している人もいるなど、着実にサイズ感が増してきています。

自分自身も過去2年間で30件以上のプロジェクトに投資を行い検証していくなかで、通常VCの案件というのは一件一件のリスクが高いので利益が出るもの出ないものがありますが、それと比べてもかなり良いリターンが出ているので自分も勝負ができるのではないかと思いました。

あとは中東で活動している投資家の方やドバイのファミリーオフィスの方から「お金を出すからファンドをやってみないか」といったお声がけがこの1年で増えてきたこともあります。

最初は自信がありませんでしたが、さまざまな人に話を聞いて調べていくなかで、KOLの人たちがファンドを組成して実際に実績を出しているのであればやっている事はほかのファンドと同じなので、投資家の視点からみても違うストラテジー(Web3.0特化型)のところに資金を入れてみるのは面白いのではないかと思い、ファンドの組成を決意しました。

ナガトモ:KOLがファンドを組成するトレンドが生まれつつあるとのことですが、既存のスキームとはどのような違いがあるのですか?

Joe:今VC業界を見渡すとファンドとしての機能があり、途中からブログやポッドキャストなどのメディア機能をつけるやり方が主流になっていますが、情報発信のクオリティは高くてもマスに向けての発信がどこまで伝わるかは難しいところです。

一方で、僕らはすでに発信する媒体を持っているのでその媒体を使ってプロジェクトやファウンダーをサポートすることができます。

VCなどの投資家の多くは金銭的なサポートにとどまることが多い一方で、それであればBeast Venturesは認知の拡大やユーザーの獲得を中心に、資金調達のサポート、事業開発支援など幅広いサポートを提供できると思っており、プロジェクト側としてもそういう人達を投資家として迎える方が絶対的にプラスだと思うんですよね。

これまではどういう投資家が入っているかが重要視されて来ましたが、実際にマスアダプションに向けてプロジェクト側も本当に使われるプロダクトを作っていかなければならないし、それを多くの人に知ってもらい良さを伝えていかなければならない。

ここ最近はお金がマーケットに大量に流れているので、だからこそ発信者たちの需要が高くなっており、今後さらに僕たちの活動がしやすい環境になってくると思っています。

ナガトモ:ファンドはどのような形式で組成するのですか?

Joe:ケイマン諸島でファンドのライセンスを取得して組成する予定です。

日本のクリプトファンドはいわゆる事業会社の形をとってやっている所が多いですが、僕らはファンドのライセンスでやることで資金調達をする際にお金を出してもらうLPの人たちからも、ファンドからもお金を入れやすい形式でやりたいなと思っています。

金額規模としては最大でも10億円ほどで、12月には資金調達を終えて2024年1月からスタートできればと考えております。

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