日本ではWeb3.0を大きく成長させる領域の筆頭として、“ゲーム”の名があげられることが多い。それは日本が誇る強力なIPをふんだんに使えるだけでなく、世界で実績を残してきたノウハウを活かすことができるからだ。現時点では日本の暗号資産税制が重荷となり、海外を拠点として事業展開するプロジェクトが多いが、課税要件の緩和を巡る議論が加速することで、このムーブメントに変化が訪れる可能性はある。
今回インタビューを実施した「WLF PROJECT」も実績を有しながら海外に拠点を置いているプロジェクトの1つだ。世界各国で根強い人気を誇る「人狼」の生みの親・KAZU SUZUKI氏がファウンダーとして先頭に立ち、「人狼」にあらたなアクセントを加えブロックチェーンゲーム化を図る。日本の著名アーティストやデザイナー、そして上場企業らが加わり、二層構造のビジネスモデルを構築してプロジェクトに厚みを持たせる。
「WLF PROJECT」の展望
ナガトモヒロキ(以下、ナガトモ) : 実業家やゲームクリエイター、プロデューサーなどさまざまな肩書きがあるKAZUさんですが、これまでの経歴を教えてください。
KAZU SUZUKI(以下、KAZU) : まず大学卒業後、Web開発の道に入りました。システムエンジニア、デザイナー、ディレクターを経て、広告代理店のデジタルクリエイティブのプロデューサーなど、6社16種類、毎年異なるタイプの仕事をさせていただきました。
特に僕の人生に影響を与えた仕事は、Apple社とのスマートフォン向け広告メディアの開発です。その仕事を通してUI/UXデザインを学び、私の代表作となるスマートフォンゲーム「人狼ゲーム 牢獄の悪夢」の開発へとつながりました。
ナガトモ :ご自身が開発された「人狼ゲーム 牢獄の悪夢」が大ヒットした中で、今回新たに人狼をブロックチェーンゲーム化しようと思った背景をお聞かせください。
KAZU:プロジェクト開始時は今以上にWeb3.0ユーザーが少ない状況でした。そのため、Web3.0に触れたこともないユーザーをいかにして連れてくるのかということが大命題となりました。その時、白羽の矢が立ったのが「人狼ゲーム」との組み合わせです。
サービス設計においては2025年をターゲットとし、Web3.0が一般化した時にも変わらず成長を続けているサービスであることを念頭に置いています。堅実な計画を立て、Web3.0ユーザー向けのサービスだけでなく、Web2.0ユーザー向けのサービスも同時に開発しています。