本田圭佑氏が日本のスタートアップへの投資を行うべく立ち上げたX&KSK。今後、世界へと羽ばたくビジョンを持った企業を中心に投資を行っていき、日本における「デカコーン」の創出を目指す。
今回、注目のX&KSKの中心で活動する山本航平氏と下川祐佳氏に、世界をみてきたからこそわかる日本のスタートアップにおける課題や、同ファンドが目指すビジョン、そして今後の展望について語ってもらった。
スタートアップ支援を通じて国内に大きなインパクトを起こす

ナガトモヒロキ(以下、ナガトモ):山本さんの経歴を教えてください。
山本航平(以下、山本):最初はゼネラル・エレクトリックに入社し、3年ほど財務アナリストとしてキャリアをスタートしました。
その後、楽天に入社しまして、楽天の米国本社であるカリフォルニアオフィスの方で働いていました。当時はEコマースが中心で、Amazonに勝つための戦略など、楽天のグローバル展開を見据えたデータ戦略を考えていました。
次にスタートアップ投資を担当して、その後は楽天創業者の三木谷浩史さんの近くで3年間ほど秘書のような役割を担っていました。
本田圭佑が立ち上げたファンドには縁がありジョインした形です。
下川祐佳(以下、下川):日本の大学卒業後、バンク・オブ・アメリカ(当時メリルリンチ)に入り、M&Aや資金調達に携わりました。
その後にサンフランシスコの大学で知的財産に関する勉強をし、ニューヨーク州の弁護士資格を取ってLAに本社を置くシンクタンク・ミルケン研究所に勤めていました。
創立者のマイケル・ミルケンは、ウォール街を目指す人なら誰もが憧れる人物です。彼の周りには金融業界のトッププレイヤーが多く集まってきますし、研究所に所属する人たちも金融業界をバックボーンに持つ人が多かったです。
そこのアジアオフィスがシンガポールにあり4年近く勤めました。
ミルケン研究所では4つの部門を担当していました。なかでも非営利のビジネスデベロップメントといって、『金融のダボス会議』と呼ばれるミルケンの国際会議の運営を担当し、さまざまな企業とやり取りをしていました。
菅義偉元首相や小池百合子東京都知事を始め、企業のトップの方も来られるとのことで、日本に関することを全般的に任されていました。