東洋大学法学部で暗号資産やWeb3.0関係の税金を研究している泉絢也です。税理士として個別相談に乗ったり、最近では税務調査を受けている方のサポートを行うことも多いです。今号より暗号資産の税金に関する連載を始めさせていただきます。
まず、個人が暗号資産Aをほかの種類の暗号資産Bと交換した場合には、法定通貨と交換していない場合でも、暗号資産Aの含み損益を所得税の計算に含めなければなりません。現在では、このことをご存知の読者も多いと思います。
暗号資産Aを支払手段として使用した場合も同様です。たとえば、暗号資産Aを用いて、飲食代金を払ったり、家電製品を購入した場合には、その暗号資産Aの含み損益を所得税の計算に含めます。等価交換の場合、上記の含み損益は、基本的に①交換、または使用時のその暗号資産の時価と、②その暗号資産の取得価額の差額という形であらわされます。

このような含み損益は、保有暗号資産をほかの暗号資産と交換する前、あるいはモノやサービスの提供を受けるために支払手段として保有暗号資産を使用する前までは、実現していない損益、単なる評価損益にすぎません。
ただし、暗号資産を交換や支払いのために使うと、その含み損益が実現します。