サマリ
1. 日本版CARFの導入で、暗号資産取引の国際的な税務透明性が大幅に強化される
日本版CARFは、暗号資産を利用した国際的な脱税・租税回避を防ぐため、暗号資産交換業者等が非居住者の取引情報を国税庁へ報告し、各国税務当局間で自動的に情報交換する制度である。OECDが策定した国際枠組みに基づき、2026年1月から施行され、2027年以降は参加国間で本格的な情報共有が始まる。暗号資産取引は「国境を越える資産」として、従来以上にグローバルな監視の対象となる。
2. 利用者には居住地・納税者番号などの正確な申告義務が課される
暗号資産取引を行う利用者は、氏名・住所・生年月日・居住地国・外国納税者番号などを記載した届出書を交換業者に提出する必要がある。情報に変更が生じた場合は速やかな異動届出も求められ、申告内容の不備や虚偽は将来的な税務リスクにつながる可能性がある。暗号資産の利用者も「匿名性」を前提とした取引が成り立たない時代に入ったといえる。
3. 交換業者には高度な情報収集・管理・報告体制の構築が求められる
暗号資産交換業者等は、報告対象契約に該当する利用者の取引情報を収集・記録・保存し、翌年4月末までに税務署へ報告する義務を負う。報告内容には、利用者情報に加え、暗号資産の種類や取引金額の合計などが含まれる。事務負担やシステム対応の増大に加え、制度運用上の課題も想定されるなか、交換業者にはコンプライアンスと実務対応力の両立が強く求められている。
令和6年度税制改正により、暗号資産等を利用した国際的な脱税及び租税回避に対処するために、暗号資産交換業者等が非居住者に係る暗号資産等取引情報を税務当局に報告し、各国の税務当局間で互いに提供するあたらしい報告制度(日本版CARF)が導入されました。
令和8年1月1日から施行されたため、国内の暗号資産交換業者等は同年12月末までに顧客の暗号資産取引に関する情報を収集し、税務当局へ報告しなければなりません。
本制度は、暗号資産取引の透明性を確保し、国際的な税務情報の自動交換を推進することを目的としています。暗号資産の規制が強化されることで、国内の暗号資産交換業者やその利用者にはあらたな対応が求められます。
この改正はOECD(経済協力開発機構)が策定したCARF(Crypto-Asset Reporting Framework:暗号資産報告枠組み)にもとづくもので、令和9(2027)年までに参加国が情報交換を開始します。
2025年12月4日現在、76の国・地域が令和9年~令和11(2029)年の間に、情報交換の開始へ間に合うようにCARFを実施する予定です。
日本版CARFは、暗号資産交換業者等が利用者から届出書の提出を受け、記載事項を確認し、記録の作成・保存等を行い、一定の報告事項を国税庁(所轄税務署長)に提供するものです。その後、非居住者に係る情報は国税庁から他国の税務当局に提供されます。
