【仮想NISHIの週間相場分析】ビットコイン年初来安値を更新 一時60,000ドル付近まで大幅下落(2026/2/6)

2026/02/06 13:00 (2026/02/06 15:08 更新)
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【仮想NISHIの週間相場分析】ビットコイン年初来安値を更新 一時60,000ドル付近まで大幅下落(2026/2/6)

週間相場分析:ウォーシュ氏指名とゴールド急落が招いた「デレバレッジの連鎖」

TradingView Chart image
2月6日時点 4時間足(出典:TradingView)

ビットコインは今週、連日で年初来最安値を更新する展開となった。事の発端は、トランプ米大統領が連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長に、タカ派として知られるケビン・ウォーシュ氏を指名したことだった。

これにより、これまで金融緩和方向を織り込んでいた市場全体に動揺が広がり、リスク資産に対する警戒感が急速に高まった。

その後、安全資産とみられていたゴールドが46年ぶりの下落率を記録したことを契機に、ハイテク株を中心として株式市場が下落し、暗号資産市場にも損失補填売り圧力(クロスアセットのデレバレッジ)が波及した。

結果、ビットコイン価格は60,000ドル付近まで急落した。

また、ホワイトハウスで協議されていた「クラリティー法案(暗号資産の規制枠組み)」が合意に至らなかったとの報道も、下押し要因となった。規制の先行きに対する不透明感から投資家心理が冷え込み、価格下落に拍車をかけている。

直近の重要経済指標・暗号資産イベント

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注目イベント(日付順)

DAT企業の財務悪化が暗号資産市場に与える影響

DAT(Digital Asset Treasury)企業とは、ビットコインなどの暗号資産を企業の準備資産として大量保有する企業を指す。

代表例として米Strategy社などが知られるが、これらDAT企業には、暗号資産価格が企業の平均取得単価を下回ると「負の循環」に陥りやすい構造的欠陥がある。

まず、保有資産の評価損が拡大してバランスシートが毀損すれば、株価の下落を招き、企業の資金調達力は低下する。低株価での増資は株式の希薄化を招くため実行が難しく、新規の暗号資産を購入する余力も失われる。さらに市場では「資産を売却せざるを得ないのではないか」という懸念が強まり、それが暗号資産価格そのものを押し下げる要因となる。

財務悪化が長引けば、上場維持すら危うくなる。米市場では、債務超過や継続企業の前提(ゴーイング・コンサーン)への不安が顕在化した企業に対し、改善計画の提出や厳格な審査が行われる。ここで資本回復の見込みが立たなければ、上場廃止に至る恐れがある。 日本の東証スタンダード市場も同様に基準は明確だ。純資産や時価総額などの維持基準に抵触した場合、原則1年間の改善期間が与えられるが、期間内に適合できなければ監理・整理銘柄を経て上場廃止となる。資金調達を外部に依存して暗号資産を取得し続けるDAT企業にとって、この制度的リスクは無視できない。

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※画像はAIにより生成

こうした企業の動向は、暗号資産市場全体にも影響を及ぼす。これまでDAT企業は継続的な買い手として市場を支えてきた。そのため、彼らの調達力低下は単なる「売りの増加」に留まらず、「買い需要の消失」という形で市場構造を変質させる。結果として、価格の上昇力は著しく鈍化するのだ。

結論として、「価格下落 → 評価損拡大 → 株価下落 → 調達力低下 → 購入停止・売却懸念 → さらなる価格下落」という負のスパイラルが形成されやすいのが、DAT企業の抱える本質的なリスクである。

(執筆日:2026年2月6日)


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