[10月の振り返りと12月の相場展望] 2024年はビットコインの半減期も意識されるため下げ幅は限定的?
10月のビットコイン相場振り返り 10月のビットコインは、米国金利の上昇が継続するなかで上値を抑えられる展開が続いていましたが、現物ETFの審査に関する進展を受けてBTC=520万円台まで高騰しました。
暗号資産メディアのコインテレグラフが「ブラックロックのビットコイン現物ETFが承認」というヘッドラインをSNSで投稿し、それは誤報であったものの、直後にブラックロックの申請しているiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBTC)が米証券保管振替機関(DTCC)の適格リストに掲載されていることが明らかとなり、期待買いが一気に強まりました。
また、パレスチナ情勢の悪化によって地政学リスクが意識されるなか、ビットコインは金との相関が高まり、一部では逃避資産としての注目を集めました。
12月のビットコイン相場展望 12月のビットコインは、年内最後となる米FOMC(12-13日)で追加利上げが行われるかが最大の注目ポイントです。パウエルFRB議長が利上げの打ち止めを強調するのか、あるいは来年以降の追加利上げの可能性を残すのかによって、その後の相場展開も異なることが予想されます。
またビットコイン現物ETFについても、年内に実現した場合にはBTC=600万円に迫るまでの上昇が期待できますが、来年に持ち越しとなった場合には失望売りによって再びBTC=500万円を割り込むことも考えられます。
年末にかけてはファンド等のポジション調整によってボラティリティが高まる局面もあると思いますが、2024年に入ってからはビットコインの半減期も意識されるため下げ幅は限定的となるでしょう。
まりんの注目銘柄:ポリゴン(MATIC) 今回はイーサリアムのレイヤー2ソリューションとして知られるポリゴン(MATIC)について紹介します。
ポリゴンはもともとマティック・ネットワークとして活動していましたが、2021年に現在の名前にリブランディングしました。その後、DeFiブームが沸き起こるなかで、イーサリアムに比べて遥かに安い手数料で利用できるネットワークとして大きな注目を集めました。
CoinMarketCapの時価総額ランキングでは15位以内に位置しています(2023年10月末時点)。
そんなポリゴンですが、実は2023年2月にネットワークの障害が起きてからMATICトークンの価格は右肩下がりに落ちています。米国当局からMATICトークンの証券性を指摘され、直近では共同創業者の1人がプロジェクトから離れることを発表し、今後のロードマップに関する不安が広がっています。
一方で、ポリゴンはMaster CardやGoogle、シンガポール金融管理局など多様で強力なパートナーシップの締結を実現しています。また、レイヤー2としては「Polygon2.0」というあらたな開発計画を打ち出し、ほかのプロジェクト向けにオープンソースの開発キットを提供することで技術インフラとしての性格も強めています。
MATICトークンの価格だけをみるとポリゴンに対する不安が先行していますが、同時進行する提携や開発がこれから芽を出し始めるならば、現在の価格は過小評価されている可能性があります。
Profile ◉松嶋 真倫(Masamichi Matsushima) マネックス証券マネックス・ユニバーシティ暗号資産アナリスト。大阪大学経済学部卒業。都市銀行退職後に調査会社Baroque Streetのメンバーとして暗号資産・ブロックチェーン業界の業界調査や相場分析に従事。マネックスクリプトバンク株式会社では業界調査レポート「中国におけるブロックチェーン動向(2020)」、「国内外のサプライチェーン領域におけるブロックチェーン活用事例と課題」「Blockchain Data Book 2020」などを執筆。国内メディアへの寄稿も行なう。2021年3月より現職。
【HP】https://cryptobk.jp/
関連記事 10月の注目材料は「ビットコイン現物ETF」の承認可否 注目銘柄は【柴犬コイン(SHIB)】│マネックス証券 松嶋真倫
2024年ビットコインの相場展望 | マネックス証券・松嶋真倫