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ビットコイン相場8月の振り返りと今後の相場展望 市場の関心は米国の金利動向から景気動向へとシフト

2024/09/29松嶋 真倫
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ビットコイン相場8月の振り返りと今後の相場展望 市場の関心は米国の金利動向から景気動向へとシフト

暗号資産の市場動向

マネックス証券で暗号資産アナリストを務める松嶋真倫a.k.aまりんです。今回もビットコイン相場の振り返りと今後の相場展望について解説します。

8月の振り返りと今後の相場展望

2024年8月のビットコインは、日経平均株価が歴史的な暴落を記録するなかで世界的なリスクオフが強まり、一時はBTC=700万円台まで大きく下落しました。日銀が利上げを決定したことで、日米金利差の縮小を意識した円高が急進し、それにより円キャリートレードが巻き戻されたこと、米7月雇用統計の悪化を受けて米国の景気後退懸念が意識されたことなど、複合的な要因でリスク資産の売りが強まりました。

その後、日銀が早期の追加利上げの可能性を否定したことで市場の混乱が収まり、株式とともにビットコインも大きく反発しました。一時はBTC=900万円台まで価格を戻しましたが、イラン・イスラエル情勢の悪化や米国政府によるビットコイン売りなど懸念材料もあり、もみ合いの展開が続きました。また、ジャクソンホール会議の内容を注視する動きもあり、市場では様子見ムードが広がりました。

今後のビットコインは、世界情勢が依然として不透明であるものの、価格が徐々に上昇していく可能性はあると考えています。市場の関心は米国の金利動向から景気動向へとシフトしており、9月以降に発表される経済指標や次回のFOMCを受けて米国の景気後退懸念が再燃した場合には、リスク資産全般の売り圧力が強まることが予想されます。

また、イランとイスラエルの間で戦争が勃発した場合も、同様に短期的な下落リスクは否定できません。しかし、リセッションや地政学リスクが強く意識される環境では、ビットコインも金のようなデジタルゴールドとしての性質が注目され、資産防衛のために買いが優勢になる可能性があります。

ビットコインがほかのリスク資産と差別化され、安全資産としての役割をはたし始める兆候がみられれば、現物ETFを通じた買いもあわさって上昇の勢いを一気に取り戻すことも考えられます。

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