識者・佐々木俊尚氏にテクノロジーと社会の未来を幅広く訊ねる新連載。
第1回のテーマは「DX」
——「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉が聞かれるようになって久しいですが、いわゆる「DX化」が上手くいっている企業、いない企業があるように思います。
佐々木:まず日本の場合、『DX』の定義があまり明確ではないんです。それこそ70年代80年代にOA化があり、2000年ぐらいにIT化というのがあって、今2020年代DX化という言葉が流行っている。たとえばOA化というのは手書きの書類をコピーやFAXにしようとか、そういうもの。
IT化というのは今まで音声データでやり取りしていたのを、メッセンジャーやメールを使おうとか、あくまでツールをデジタル化するのがOAとかITだったんですね。
しかしDXというのは、デジタルによってビジネスモデルを再構築することで、ツールをデジタル化することではない、ということが本来の基本的な考え方なんです。そこがあまり理解されていないんですよね。
たとえば『リモートワークでズーム入れてるから、うちはDXが進んでる』っていう人が結構平気でいたり、『DXを導入』とかいってる人もいる。でもDXはツールではないから、別に導入するものでもない。会社、ビジネスそのものを変えるものなんです。