サマリ
1. ビットコインは4年サイクルの最終局面へ──特有の“ピーク前調整”が進行
BTCは4年サイクル特有の2度の調整を終え、史上最高値を更新しながらクライマックスが近づく展開に。8~10月にかけての14%・18%調整は過去パターン通りで、買い手の主役がトレジャリー企業からETF主体へ移行した点が今回の相場の特徴。
2. 世界的な政治変動と“法定通貨離れ”が上昇の背景
インフレ対策による世界的な政権交代ラッシュを受け、2025年は主要国で積極財政(ポピュリズム)が拡大。投資資金は現預金から株・不動産・金・BTCへ流入し、同時史上高値の構造を形成。FRBの利下げ再開にもかかわらず、BTCが出遅れていた理由は買い手交代と調整局面の影響。
3. 普及率の急拡大──米ETF保有機関は“クリティカルマス”に到達
米大口機関投資家の3割がBTC現物ETFを保有したとされ、普及の転換点(クリティカルマス)に到達。個人も含め米国内の暗号資産保有率は15〜20%、ミレニアル世代は4割超と急速に浸透。政治面では片山財務相の存在が日本の暗号資産政策の前進材料として期待される。
前号では、ビットコイン(BTC)は4年サイクルのピークの2ヵ月前に2回、2割前後の調整をする傾向について触れ、8月の調整も「10月に3,500万円に向けたラストスパートの兆候でしょうか」と申し上げました。
実際、8月のピークから9月にかけて14%調整し、10月に入ると再び史上最高値を更新したものの、18%の2回目の調整をみせました。筆者の予想通り3,500万円に到達するかはわかりませんが、いよいよクライマックスが近付いてきました。
上昇の背景は法定通貨からの逃避です。コロナ禍での財政支出と金融緩和が引き起こしたインフレをおさえるため、各国政府は政策の正常化を図りましたが、インフレで傷んだ国民の不満に煽られ、2024年は主要先進国で与党が全敗しました。
その結果、2025年は各国で減税を伴う「ポピュリズム」が広がっています。積極財政を掲げる高市内閣の誕生とその人気の高さはそのあらわれです。