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コロプラ創業者が示すビジョン Brilliantcryptoから生まれる“デジタル宝石”が人類史に刻む意義とは——

Shogo Kurobe
2024/06/16

コロプラの「Brilliantcrypto」が目指す「未来の宝石」とその価値

Web3.0業界に一石を投じる国内発の大型ゲームプロジェクトがついに正式リリースされた。ブリリアンクリプト(Brilliantcrypto)社が手がける「Brilliantcrypto」だ。

「Brilliantcrypto」のリリースに先立ち、6月5日にメディア向けのゲーム体験会が開催。そこで語られたコロプラの創業者にしてゲームを率いる馬場功淳氏の「Brilliantcrypto」に対する想いや、ゲームの“核”ともいえるビジョンから、同タイトルの今後を探る。




6月17日にブリリアンクリプト(Brilliantcrypto)社から正式リリースされたあらたなブロックチェーンゲーム「Brilliantcrypto」が注目を集めている。ブリリアンクリプト社は東証プライム市場に上場するアプリゲーム開発大手・コロプラの子会社という位置付けにある。代表にはコロプラの創業者である馬場功淳氏が就き、先頭に立ってブロックチェーンゲームという難解かつあらたな領域のゲーム開発を率いている。


ブリリアンクリプト(Brilliantcrypto)とは?


「Brilliantcrypto」は、「PoG(Proof of Gaming)」というあらたなゲームモデルを導入したブロックチェーンゲームだ。PoGはビットコイン(BTC)のコンセンサスアルゴリズムであるPoW(Proof of Work)から着想を得たもので、重要となるのは『他人の価値を創出する』という点にある。これは馬場氏の口からも語られていることで、詳細は後述する。

ゲームは至ってシンプルで、プレイヤーは「つるはしNFT」と呼ばれるアイテムを使い採掘者として鉱山で宝石を獲得する。獲得した宝石はNFTであり、コレクションすることやゲーム内トークンである「BRIL」と交換することなどが可能だ。

この宝石はサイズや色味などがレアリティに影響する。サイズが大きく、より色味が鮮やかなものであればあるほど、価値は付きやすくなる。ゆくゆくは提携するメタバースへ宝石を送付し、活用できるようにする計画もある。

ゲームのリリース前からグローバル展開を見据えており、名門サッカークラブのパリ・サンジェルマンや、韓国ロッテグループ傘下でメタバース事業を開発・運営するカリバース(CALIVERSE)などと提携し、Brilliantcryptoで得た、いわば“デジタル宝石”の活用領域を広める取り組みを進めている。


注目度の高い独自トークン「BRIL」


独自トークンであるBRILは、国内暗号資産(仮想通貨)取引所コインチェックにてIEOが行われ、購入申し込み開始からわずか13分で調達目標金額の15億1,200万円を突破した。この調達額は国内IEO史上最高額となるが、これに留まらない熱気がそこにはあった。

5月27日から6月10日にかけてBRILの購入を申し込むことが可能であったが、この期間の購入申し込み金額は合計333億円にのぼった。あくまでもこの数字は速報値ではあるが、コインチェックにおけるIEOプラットフォーム「Coincheck IEO」での史上最高額となる。また、過去に行われた国内IEOの公表値と比較しても、購入申し込み金額は史上最高額となる。

IEOでの購入金額は1BRIL=21.6円で、申込者に1口ずつ割り当てる1口確定当選方式がとられた。申し込み人数は「Coincheck IEO」において史上最多となる7.94万人。申し込み倍率は実に22.04倍で、2口以上の購入も熾烈な抽選を勝ち抜かなければ実現しない。

そんなBRILは6月17日正午に上場し、一時99.66円まで高騰した。記事執筆時点では購入価格比で180%超の上昇となる60円前後で取引されており、これまでのIEOでみられた上場直後の公募価格割れという事態にも陥っていない。

なお、ゲームで使うつるはしNFTも購入が殺到し、初期販売である「Coincheck INO」後に行われた500個の先着販売も瞬時に完売となった。これまでの国内IEOと比べても、改めてその熱気がどこか別次元にあることが感じられる。


コロプラ創業者が語る世界初の“意義”

ゲームリリース前からこれほどまでの注目を浴びる理由の1つには、コロプラが上場企業であるということも影響しているはずだ。

これまで、会計処理などの兼ね合いから上場企業によるIEOは極めて難しいとされてきた。そうしたなかでも、コロプラは国内を拠点とする子会社を通じてIEOを実現した。実際、馬場氏は「上場企業として世界初のIEOを行えることに意義がある」と述べ、胸を張った。

▶︎体験会で登壇するブリリアンクリプト・馬場氏


また、世界初はこれだけではない。「デジタル宝石の普及」という人類がまだ目の当たりにしていないあらたな扉を開けることとなる。

馬場氏は「さまざまな情報から子供のおもちゃ、またビットコインというデジタル上の金(ゴールド)など、人類はあらゆる方面でデジタルに移行している。こうしたことを考えると、ゆくゆくは世界すべてがメタバース、デジタル化するのではないか」と語る。ここに本プロジェクト誕生のきっかけがあった。

あらゆるものがデジタル化するなかで、「デジタル空間上に存在する宝石」というのは存在していない。宝石も金と同様に、価値の保存手段としてだけでなく、宝飾品としての価値・役割を有する。これをデジタル上で実現するという発想も今後不可欠になると馬場氏は考えた。

同時に、宝石のデジタル化というのは今後人類がたどっていくであろう未来に向け、その歴史的な意義も感じたようだ。


ブロックチェーンゲームに足を踏み入れたきっかけ

そもそも、馬場氏がブロックチェーンゲーム、ひいてはWeb3.0領域に足を踏み入れたきっかけはビットコインのホワイトペーパーだったようだ。

当時のビットコイン価格は現在と比べても非常に安価であったが、その仕組み自体に革新性を感じたという。しかし、同時に事業者として暗号資産を活用するのは難しいと当時は悟ったようだ。

次に馬場氏の歩みを進めるきっかけになったのが、ブロックチェーンゲーム「クリプトキティーズ(CryptoKitties)」の存在。クリプトキティーズは2017年にリリースされたブロックチェーンゲームの先駆けともいえるゲームで、NFTである猫(キティ)を交配したり、売買したりして楽しむものだ。

この時にクリプトキティーズに触れ、馬場氏はトークンについて理解したとともに、ゲームとして確立させることができると感じたという。それでも、まだ上場企業がブロックチェーンゲームを手がけるにはさまざまなハードルがあり、具体的に着手するには至らなかった。

しかし、転機となったのはSTEPN(ステップン)の登場だ。

STEPN(ステップン)はNFTであるスニーカーを取得し、それをセットして歩くことでユーティリティトークンを獲得することができるゲーム。P2E(Play to Earn)という『ゲームで稼ぐ』概念を世に浸透させたSTEPNは、ただ歩くことでトークンを得られるということで、リテラシーの壁を大きく乗り越えた。これをみて、馬場氏はブロックチェーンゲームを無視できなくなったと語る。

だが、現状のP2Eには限界がある。こう考え、馬場氏はPoGの構想に至ったようだ。


本来誰のものでもない宝石の価値を証明するPoG(Proof of Gaming)


馬場氏は「Brilliantcrypto」におけるPoGについて、「宝石という本来誰のものでもないものを証明するもの」と位置付ける。また、「デジタル宝石を世に解き放つためにP2Eという概念を採用した」とも述べる。

先述したように、PoGはビットコインのコンセンサスアルゴリズムであるPoWから着想を得ている。PoWではマイニングマシンを通じて複雑なハッシュ関数を最も早く計算したマイナーがブロック報酬を得ることができる。特にビットコインのマイニングでブロック報酬を得るのは極めて困難であり、砂漠で小さな宝を探し当てるようなものだとも揶揄される。

PoGも同様に、時間をかけて採掘した宝石は誰がみつけたもので、誰の手に渡ったのかなどを記録し、その価値を証明するものと定義付けている。

そして、PoGを実現する上で馬場氏が重要視しているのが、「予測不能」であることだ。具体的には、「Brilliantcrypto」において採掘できる宝石は開発者であっても生成することはできない。たとえ開発者だとしても、自らの手で採掘しない限り宝石を手にすることはできないという制限を設けている。

ゲームを作り出した自らの手でも意中の宝石を手にすることはできない。そういった背景もあり、ブリリアンクリプト社は「Brilliantcrypto」において採掘された宝石への投資に特化した「Digital Gemstone Fund 1」を設立した。

これは宝石の価値及びそこから得られるリターンの最大化を見据えたファンドだ。デジタル宝石への投資を行うファンドの設立は世界初となる。「Brilliantcrypto」で採掘したデジタル宝石をそのままにするのではなく、本物の宝石と同様に扱うことで、メタバースなどでの活用を見据えている。


あえて宝石の採掘難易度をあげた意図


「Brilliantcrypto」ではつるはしNFTを活用して宝石を採掘するが、ここにもこだわりを垣間見ることができた。

実際に私も体験会でゲームをプレイしてみたが、とにかく宝石がみつからない。数十分プレイして、やっと小さな宝石をみつけることができたくらいだ。

なかなか宝石をみつけられないと離脱するユーザーも出てきそうなものだが、馬場氏の考え方は違った。「ビットコインのマイニングもハッシュ関数の計算が大変だから価値があるように、ゲームだからといって宝石も採掘が大変じゃないと価値が付きにくくなる」と述べる。

また、「苦労して手に入れた宝石に価値を感じてもらいたい」とも語り、その真意は実物の宝石を手にした時と同じような重みを味わってもらいたいという狙いがあるようにも思えた。

なお、採掘できる宝石は有限となっており、特定の島(リージョン)で採れるようにするようだ。あらたな宝石をリリースする際には別の島を作り、そこで採れるようにする。島の提供頻度や宝石の採掘確率は、受給をみながら決めていくという。


デジタル宝石というあらたな価値創造の出発点になり得るか

「Brilliantcrypto」の体験会を通じて私が特に感じたのは、「デジタル宝石への価値付けに対するこだわり」だ。採掘難易度の高いゲーム設計や後の展開を見据えたファンド組成などが代表的な例である。また、ゲーム開発を率いる馬場氏の想いも相当なものであると感じた。

当日設けられた特別セッションでは、コインチェックの副社長執行役員である井坂友之氏(現取締役社長執行役員)が登壇。同氏も「最初にIEOやゲームの内容を聞いた時には非常にチャレンジングだと感じた。でも、馬場氏から強い意思を感じた」と語っていた。

▶︎登壇するコインチェック・井坂氏


今後の展開について、馬場氏は海外のゲームギルドやコミュニティなどとの提携を進めていくと語る。また、宝石という属性から将来的にはハイブランドとの提携も見据えていると言及した。すでに複数のパートナーがいるが、より精力的に活動していくと述べている。

ゲームリリース時はPC版でのみの展開となるが、開発者へ話を聞いたところ、秋頃にはスマートフォンでプレイできるアプリ版のリリースを予定しているようだ。デジタル宝石というあらたな概念を浸透させる上では、このアプリ版のリリースが大きなカギを握ることとなる。

デジタル宝石というあらたな概念の打ち出し・実現や上場企業によるトークン発行、IEOでの結果といった点で、「Brilliantcrypto」は国内企業にとって未踏の地ともいえる領域に足を踏み入れている。

「Brilliantcrypto」というゲーム及び一連のプロジェクトは果たしてあらたな価値創造を成し得るのか。ゲームリリースと同時に、壮大なビジョンに向けた挑戦が幕が開けた。

画像:Iolite、Brilliantcrypto発表資料


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