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「TOKEN2049 in Dubai」現地レポート

Hiroki Nagatomo
2024/06/02

現地だからこそ感じるトレンドや生態系

初のドバイ開催となった今回の会場は高級リゾートを擁するスークの中にあるマディナジュメイラ。中東の伝統的なマーケットを再現した雑貨屋やレストラン、5つ星ホテルが入居している複合施設だ。

綺麗な水景のあるテラスからは7つ星ホテルと称されるブルジュアラブもみえ、フォトスポットとしても有名だ。

私のTOKEN2049遍歴をお伝えすると初参戦の2022年から数えて今回が3回目だ。毎年9月のシンガポール開催の参加はもはや恒例の年間行事になってしまった。

この時期はF1シンガポールグランプリの開催とも重なっており、ホテル代金が通常の3倍ほどに跳ねあがる。もちろん誰もが望んでいるわけではない。

だが、業界関係者にとっては高いホテル代以上に価値を得られるイベントがこのTOKEN2049なのである。


イベント参加で得る学びはさまざま

イベントの楽しみ方としては登壇者のスピーチで最新情報を得る、ブースで勢いのあるプロジェクトやプロダクトをリサーチする、世界中から人が集まるので普段あえない取引先とのミートアップやクライアント、パートナー探しのネットワーキング、プロジェクトやコミュニティ主催のアフターパーティなど多岐にわたり、非常に密度の濃い時間がこの1週間に濃縮される。

今年1月発売号のクリプトジャーニーで取材をさせていただいたCega Financeの豊崎亜里紗氏は昨年のシンガポール開催でスピーチ後に声をかけさせていただいたことがきっかけだった。

注目されているプロジェクトのスピーチ後は決まって登壇者のもとに行列ができる。昨年の豊崎氏のスピーチの後も行列ができ、なかなかお話しができなかった。

TOKEN2049に参加するにはチケットを買う必要がある。公式サイト購入ページに行くとスーパーアーリーバードプライスが表記されているが、これはつまり早いうちに購入するのがお得ということだ。

1枚500ドルほどだが、期日が迫るにつれて値段も高くなる。2022年の参戦時は直前の予約になってしまった為、1枚のチケットを15万円で購入した記憶がある。

転売価格ではない。オフィシャル価格である。一般の方はびっくりする価格だろう。

今回、私のホームでもあるドバイでの開催ということもあり、行かない理由はもちろんない。なんと10,000枚ものチケットが2週間前には完売していたことからもその期待値がうかがい知れる。

おそらくみなさんの持つイメージとして暗号資産に好意的な印象があるドバイだが、私が現地で生活していて感じる実情としては、暗号資産関連事業者は銀行口座の開設が難しかったり、暗号資産のライセンスを発行する規制当局であるVARA(Virtual Assets Regulatory Authority)の申請がとても大変だったり、不動産や車などを暗号資産で支払いすることができる側面もありながら、毎日の生活レベルにはまだまだ暗号資産は浸透していない。むしろまだまだ風当たりは強いと感じる部分もある。

お隣りカタールに関しては、有識者は暗号資産の話をすることすらもタブーとされている。その反面、サウジアラビアではNFTコミュニティが盛り上がっていたり、暗号資産解禁の噂についてユーザーの初期衝動を感じる部分もある。

VRアーティストのせきぐちあいみさんは、サウジアラビアやバーレーンの大使館、航空会社などとタイアップしてより活躍の幅を広げている。

最新テクノロジーに感度が高く、5億人超の人口を擁する中東・北アフリカ(MENA)マーケットが暗号資産業界に与えるインパクトは計り知れないだろう。

我々もそれが理由で、昨年ドバイで会社を設立した。暗号資産は世界共通、日本の方が米国に比べてBTCが安いなどというものではない。

インドでもフランスでもブラジルでも、BTCはBTC。私が思う暗号資産の最たるストロングポイントは「出だしからグローバルな領域であること」。これに尽きる。

そんな業界のさらなる発展と成熟の可能性を秘めた中東でのTOKEN2049の開催はこれまで以上に意義深いものになった。

会場では事前にメールに添付されたQRコードで受付を行い、ネームプレートとリストバンドをもらう。このネームプレートには会社名も記載されておりネットワーキングの際の名刺代わりにもなる。一歩足を踏み入れると会場の熱気に驚くだろう。

イベントブースが屋台のように軒を連ねており、たくさんの人が行き交う様子はまるでお祭りのようだ。暗号資産の将来性に胸が高鳴ることだろう。

ブースのなかにはアミューズメントパークをイメージしたパンチングマシーンやバスケットゲームを置いているブロックチェーンゲームのプロジェクトがあったり、中東らしくシーシャを吸えるスペースや、軽食やドリンクから音楽やラクダまで、エリアごとに特性もあり、まるでテーマパークを巡るような感覚になる。

昨年のシンガポール開催ではブースに床屋もあり実際に髪を切っていて驚いた。今回3度目の参戦になるが出店企業の数も2022年に比べたらとても増えたと感じる。

この出店ブースの盛り上がりも業界を“視る”重要な指標であり、分野別のトレンドや生態系を如実に表しているとも思う。

今回大きな誤算だったのはドバイが記録的豪雨により大洪水にみまわれたことだ。1年分の雨が1日で降ったことでほとんどの道路が冠水した。

年に数回しか降らず、通常の雨でさえ交通機関が麻痺するレベルの地域での前代未聞の出来事は大混乱を招いた。

イベント前日にドバイ入りした方も多かったが飛行機から長時間待機を強いられたり、タクシーに乗れず長時間徒歩でずぶ濡れになりながらホテルへ辿り着く人や帰路に着けない人もいたりした。

私の自宅から会場までは通常タクシーで20分ほどの道のりだが、イベント当日にはもなんと1時間半もかかった。

併せてスケジュールも大混乱しており、2日目に至っては朝から夜まで10件ものアポイントも入っており、帰宅する頃には思考が完全に停止するほどに疲弊していた。

だが、今回は前回以上に収穫も多く満足できる時間を過ごせた。私の場合はファンドなど取引先とのミートアップやあたらしい取引先との商談など、自社のサービスにとって必要なピースを集めるとても有意義な機会になった。

コロナをきっかけにオンライン会議が主流になったが、やはり対面で会うという行為はとても重要だ。対面での交流がその先のつながりを生み出すきっかけになるということを再確認できた。


現地での出会いで繋がる人との縁

交流するなかで必要なことがあればサポートしてくれたりサポートをしたり。国も言語も文化的背景も異なる人がクリプトという1つのテーマでつながり、点と点が線となり面となりプロダクトとして形になっていく様子を目の当たりにすると、この領域の可能性を感じずにはいられない。故にクリプトは面白い。

会場を散策していると日本人の方に遭遇した。みなさんご存知の暗号資産YoutuberのJoe Takayamaさんだ。

今回は出資しているプロジェクトとのミートアップなどもあり会場へ来たとのこと。ほどなくして浴衣を着た素敵な女性を発見。こちらはKOL(Key Opinion Leader)であるのろいちゃん。私はちゃん付けでは呼べないのでのろいさんと呼ばせていただいているが、のろいさんもあたらなプロジェクトのミートアップでこられていた。

のろいさんと立ち話をしていると陽気な女性が話かけてきた。コインポストのレイラさんだ。彼女はXRPのチームを紹介してくれた。この何気ない交流がとても大事でいつどこでどのようにつながっていくかは未知数だから面白い。

次にサイドイベントの楽しみ方を紹介しよう。イベント開催の週は毎日どこかしらでサイドイベントが行われている。

TOKEN2049自体のチケット代金が高いのでサイドイベント参加を目的に会場へ来ている若者などもシンガポールなどではたくさんあってきた。会場であった日本人の若者達をタクシーに乗せてあげたことも過去2回ある。

これらのサイドイベントはTOKEN2049の公式サイトなどで紹介されており、基本的に事前登録制で費用は無料であることが多い。このようなリストをチェックして、お目当てのイベントへ行くのが良いだろう。私は2日目の夜にBinance VIPのアフターパーティに参加した。

基本的にひとりで参加することが多いのでとても寂しいが、シャンパン片手にウロウロしていると不思議と誰かしらと会話につながっていくものだ。

こういう時に担当者と顔をあわせられる意義は非常に大きい。翌日の夜はBybit VIPのガラパーティに参加した。

こちらはドレスコードもあり着席スタイルでショーもコース料理もあり満足度が高かった。BybitのCEOであるベンさんともお話しをでき有意義な時間を過ごせた。

文章での表現は限られた文字数になる為、読者のみなさまにすべてをお伝えできないのは非常に残念だが、少しでも興味があれば是非このようなイベントに足を運びさまざまな国の多様な業種の方と交流をすることをおすすめする。

クリプトの未来がきっとみえるはずだ。ただし、英語は必須である点を忘れてはならない。

海外のイベント参加はハードルが高いという方へ朗報がある。今年8/28-29に日本最大級のWeb3.0カンファレンスであるWebXが東京プリンスホテルパークタワーで開催される。

弊社もプラチナスポンサーとしてブースを構える。興味がある方は是非、足を運んでほしい。



Profile

Hiroki Nagatomo
JADE VENTURES Founder
J-CAM MIDDLE EAST COO
1988年生まれ。横浜市立大学在学時に起業。大手通信キャリアのセールスプロモーションを主軸に人材派遣会社や飲食店など事業を複数展開。2018年事業譲渡後、ヨーロッパを中心に30ヵ国以上を渡航。グルメ、ライフスタイル、社交など文化的交流を重ねるなかで海外富裕層が暗号資産に注目していることを知る。後にJ-CAM代表である新津氏との出会いがきっかけで2022年Web3.0時代の資産形成プラットフォーム「BitLending」を立ち上げる。常識を覆す革新的なアイデアでクリプトレンディングの業界水準を上げ多くのユーザーから支持を得ている。現在はドバイに在住し、独自のネットワークとフットワークを武器にグローバル企業のBizDev領域で多くのビジネスに貢献しながら、コラムニストとしても業界の著名人へ取材活動を行っている。


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