今やその名を知らない人はいないといっても過言ではない楽天。Eコマース、金融、通信、そしてスポーツなど、多種多様にわたる業界で存在感を放つ。それはWeb3.0業界においても同様のことがいえる。
昨年2月にリリースされた「楽天NFT」は、サービス開始前から大きな注目を集めた。楽天NFTでは楽天IDで簡単に利用できることや、暗号資産のほかにクレジットカードでの決済が可能な点など、初心者にも優しい設計が好評だ。
そして何よりも、巨大な楽天経済圏の要ともいえる楽天ポイントが使用でき、クレジットカード決済であればポイントを貯めることができる点もユーザーの利用機会創出につながっている。
楽天では暗号資産取引所楽天ウォレットを通じて、Web3.0がバズワードとなる前から暗号資産領域に踏み出している。「あの楽天が暗号資産領域に進出した」として、大きな話題となった。
楽天ウォレットでは楽天NFT同様、楽天ポイントを使用できる点が特徴だ。日々の買い物等でたまったポイントで暗号資産を購入できるため、初心者にとっても比較的参入障壁となるハードルが低い。さらに、楽天ウォレットでは保有する暗号資産を楽天市場、楽天トラベル等で利用可能な楽天キャッシュにチャージすることができる。
そのため、ビットコインやイーサリアムなどを用いて実質的な暗号資産決済を行える。これは日本における暗号資産決済の普及やWeb3.0の裾野を広げる上で重要な取り組みといえるだろう。
誰もが知る楽天ブランドの暗号資産取引所として注目される楽天ウォレットだが、果たして今後どのような戦略のもと事業を進めていくのだろうか。また、楽天のWeb3.0への見方も興味関心を引くところである。
今回、楽天ウォレットをCIO及び執行役員として支える佐々木康宏氏に、同取引所の今後の展望やWeb3.0に対する考え方などについて語ってもらった。
佐々木氏は2018年より楽天ウォレットに参画し、システムやセキュリティを管掌する。特にセキュリティへの関心が年々高まるなか、佐々木氏はどのような視点で事業に携わっているのだろうか。