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Web3.0
暗号資産
NFT

巨大経済圏でWeb3.0の裾野を広げる楽天ウォレットの強み│佐々木康宏インタビュー

Iolite 編集部
2023/05/29

楽天ブランドのノウハウを活かし業界の発展に寄与していく

今やその名を知らない人はいないといっても過言ではない楽天。Eコマース、金融、通信、そしてスポーツなど、多種多様にわたる業界で存在感を放つ。それはWeb3.0業界においても同様のことがいえる。

昨年2月にリリースされた「楽天NFT」 は、サービス開始前から大きな注目を集めた。楽天NFTでは楽天IDで簡単に利用できることや、暗号資産のほかにクレジット カードでの決済が可能な点など、初心者にも優しい設計が好評だ。

そして何よりも、巨大な楽天経済圏の要ともいえる楽天ポイントが使用でき、クレジットカード決済であればポイントを貯めることができる点もユーザーの利用機会創出につながっている。

楽天では暗号資産取引所楽天ウォレットを通じて、Web3.0がバズワードとなる前から暗号資産領域に踏み出している。「あの楽天が暗号資産領域に進出した」として、大きな話題となった。

楽天ウォレットでは楽天NFT同様、楽天ポイントを使用できる点が特徴だ。日々の買い物等でたまったポイントで暗号資産を購入できるため、初心者にとっても比較的参入障壁となるハードルが低い。さらに、楽天ウォレットでは保有する暗号資産を楽天市場、楽天トラベル等で利用可能な楽天キャッシュにチャージすることができる。

そのため、ビットコインやイーサリアムなどを用いて実質的な暗号資産決済を行える。これは日本における暗号資産決済の普及やWeb3.0の裾野を広げる上で重要な取り組みといえるだろう。

誰もが知る楽天ブランドの暗号資産取引所として注目される楽天ウォレットだが、果たして今後どのような戦略のもと事業を進めていくのだろうか。また、楽天のWeb3.0への見方も興味関心を引くところである。

今回、楽天ウォレットをCIO及び執行役員として支える佐々木康宏氏に、同取引所の今後の展望やWeb3.0に対する考え方などについて語ってもらった。

佐々木氏は2018年より楽天ウォレットに参画し、シス テムやセキュリティを管掌する。特にセキュ リティへの関心が年々高まるなか、佐々木氏はどのような視点で事業に携わっているのだろうか。


暗号資産交換業者がWeb3.0推進のカギを握る。
過去の教訓に基づいた安全なシステム作り、そして法・環境整備に寄与していく。

——佐々木さんは、2023年の暗号資産及びWeb3.0領域の現状をどのようにみており、今後どのような動きになっていくと考えていますか?

佐々木康宏(以下、佐々木):ブロックチェーン技術をもとにWeb3.0は今後あらたなニーズとして発展する可能性を秘めていると考えておりますが、一般の利用者にとってはどういった場面で利用・活用できるのか、といったイメージがまだつかない、そして難しいのではないかと考えます。

加えて、Web3.0にてブロックチェーンで必要となるトークン管理・保全といった面で、難しい、危ないといった心象を持たれることが想定されます。そういった状況を鑑みますと、広く浸透するには一定の期間が必要ではないかと考えます。

この浸透の過程を利用し、暗号資産が広まった流れと同じように、法的な整備に加え、提供サービス側の習熟度が必要で、技術面でも経験が多い暗号資産交換業者が本領域推進での1つのカギになるのではないかと思慮します。

——楽天グループでは昨年「楽天NFT」をローンチするなど、Web3.0領域での存在感も年々増してきています。その上で、楽天ウォレットとしては今後どのような点に注力して事業を進めていくのかお聞かせくだ さい。

佐々木:楽天ウォレットは暗号資産交換業者として2019年8月よりサービスを開始しております。暗号資産サービスとしては安全に暗号資産を取り扱うため、金融庁管轄のもと、必要な手続きをガバナンス面、シス テム面等で進めており、そのなかで培った経験を踏まえ今後Web3.0領域でできることを是非検討していきたいと考えております。

——日本がWeb3.0領域で世界をリードする上で必要なこと、また佐々木さんだからこそ業界の発展に寄与できると考えるポイントをお聞かせください。

佐々木:2023年4月に公開された「web3ホワイトペーパー」に記載されている通り、日本の暗号資産交換業者は資金決済法に基づいた適切なウォレット管理、お客様保護を進めていると認識しております。

これは暗号資産業界で過去発生した教訓への対応結果と捉えており、Web3.0領域においても同様の技術を利用することから、日本は世界に向けてリードできるポジ ションにいるのではないかと考えます。

その為には暗号資産交換業同様の法整備をWeb3.0でも進めていくことが大事と認識します。私の方では、暗号資産交換業者として培ったシステム面、セキュリティ面含めた知見を活かし、Web3.0領域における安 全なシステム作りの面で発展に寄与できるのではないかと考えます。

現在、日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)にてセキュリティ・システム部会長を担当しており、Web3.0についてセキュリティ・システム面でのディスカッションを各月で開始をしたところです。その辺り業界全体、加えて官民一体で積極的な議論を進め、知見の共有を行える役割を担えれば幸いです。



Profile

佐々木 康宏
2001年、東京工業大学大学院を卒業後、IT会社に入社。2017年に楽天グループ株式会社に入社し2017年9月より楽天証券株式会社にてIT本部部長、2018年2月よりフィンテック本部副本部長を担当。2018年より楽天ウォ レット株式会社にてCIO並びに執行役員としてシステム部を管掌。2023年より経営管理部 も管掌。一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会セキュリティ・システム部会長兼任。



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