メタバースやNFTなどの次世代技術が、エンターテインメント業界で活用され始めている最新テクノロジーとの融合で、エンターテインメントはどう変わるのか。
あらたな技術の登場で変わっていく、エンタメの未来像を考えてみよう。
Web3.0とは次世代インターネット及び概念の総称
近年、Web3.0と呼ばれる概念とエンターテインメントを組み合わせたサービスやプロダクトが次々と誕生している。なぜエンタメとWeb3.0の融合が進んでいるのか、それによってどのような価値が生まれるのかについて考える前に、実態が掴みにくい「Web3.0」という概念について先に解説しておこう。
Web3.0とは、ブロックチェーン技術を基盤として特定の企業や管理者に依存せず、個人に関するデータを非中央集権的に管理できる次世代インターネット及び概念の総称である。
NFTとは?
NFT(Non-Fungible Token)は、ブロックチェーン技術を活用した代替不可能なデジタルデータの総称だ。NFTを使うことで、対象のデジタルデータが、コピーデータや改ざんしたものではないということが判別可能になる。
この解説だけではわかりにくいので、例をあげよう。たとえばアイドルのデジタル会員証NFTを発行すれば、その会員証NFT が「正規に発行されたものである」ことや「誰の所有物なのか」、「いつ発行されたものなのか」といった情報が誰の目にも明らかになるということだ。
加えて、NFT はほとんどの場合、マーケットプレイスと呼ばれるオンラインサイトで売買できるようになっている。デジタルデータを(現実のモノと同じように)所有・真贋証明可能にする技術で、オンラインで取引することもできるのがNFTである。
トークンとは?
次に、トークンについて解説しよう。トークンとは、簡単にいえばビットコインなどの暗号資産のことである。厳密には暗号資産とトークンという言葉には違いがあるが、同じような「デジタルなお金のようなもの」であると理解してほしい。
トークンも、NFT 同様に誰でも発行・販売できるものなので、たとえば企業が自分でお金を発行し、それを自社のファンや投資家に販売して資金を集められるといった使い方ができる。アイドルを例にすれば、「◯◯46コイン」というトークンを発行してそれをファンに向けて販売する、といったことが可能になるのだ。
メタバースとは?
次に、昨年から話題になっている「メタバース」。メタバースの定義は未だ定まっていないが、インターネット上に構築される3次元空間のことであり、人々が自分の分身であるアバターを使って活動できる場を指す。
これだけだと、Web3.0と関係がないように思えるかもしれないが、メタバース内の不動産や土地、アイテムなどをNFTにすることで、それらを売買できるようになる。NFT 化によって、デジタル空間上のデジタルなモノに” 価値” がつくのだ。
また、それらを取引する際にはトークンが使用される(NFTを取引する際は、リアルなお金よりもデジタルなお金の方が利便性の面ではるかに上回る)。つまり、メタバースのなかでできることの幅を広げ、より現実に近づけるためにNFT やトークンといった次世代技術が使われる、という関係である。