カンボジアのCBDC(中央銀行デジタル通貨)の開発で知られるフィンテック企業ソラミツは、パラオ共和国で貯蓄国債(Savings bonds)の発行・管理・運営システムを開発し、実証実験を開始することを発表した。
またパプアニューギニアではCBDCの実証実験を行い、加えて、ブロックチェーン技術を利用した大洋州島嶼国地域の共通プラットフォームの構築を目指す。
カンボジアでは既にブロックチェーン技術を利用した決済システムの導入を行い、ラオスでは独立行政法人国際協力機構(JICA)の支援を受け、CBDCの導入に関する基礎調査と実証実験を行った。
昨年はベトナム、インドネシア、フィジー、ソロモン諸島のCBDCの導入による金融システムの高度化・クロスボーダー決済の改善に向けた調査を行った。ソロモン諸島ではCBDCの実証実験をすでに行っている。
今回はソラミツが開発したブロックチェーン技術(Hyperledger Iroha)を活用し、パラオでは同国政府の財務省の要請で、貯蓄国債システムとそのアプリケーションを開発、実証を開始する。
パラオは通貨としてUSドルが流通しており、米銀行(ハワイ銀行やグアム銀行)が預金として住民の資金を吸収し、国家財政の調達方法の多様化を図り、同国の経済成長や橋、道路、公共施設のインフラ投資に活用することを計画しており、そのプロジェクト支援を行う。
ブロックチェーンを活用した貯蓄国債発行管理システムを構築するメリットとして、偽造や改ざん、なりすましを防止するなどセキュリティが高くなること、CBDCを導入した場合、スマートコントラクトの技術を活用して貯蓄国債の購入・売却時の清算がスムーズになること、貯蓄国債発行管理システムの構築コストや運営コスト、手数料などが低減されることがあげられる。