「最後に握手してもらってもいいですか?」
目をキラキラさせた青年にいわれた一言に、しがない編集者である私は恐縮至極だった。そして同時に、暗闇でろうそくの火をみつけたような高揚感を感じた。
6月28日から3日間、「IVS Crypto 2023 KYOTO」のメディアパートナーとして、Iolite(アイオライト)もイベントを盛り上げるサポートをさせていただいた。もともとIVSは、2007年からスタートアップ企業の経営幹部を集めるカンファレンスの主催等を行なっている。
昨年、沖縄で開催されたIVS参加当時は、編集長就任後3ヵ月といったキャリアで、Web3.0領域の知識も人脈もほとんどなかった。私の目には登壇者が雲の上の存在のような遠く離れた存在に映り、「いつか弊社のメディアもメディアパートナーとして参画し、自分もパネルディスカッションに参加したい」と思ったことを覚えている。
正直なところ、昨年は雑誌の入稿業務が重なり、代表と那覇空港でソーキそばと島らっきょうをオリオンビールで流し込み、飛行機に駆け乗った記憶しか残っていない。
しかし今年は、イベントの中日に代表と共に時間を忘れて京都の割烹料理に舌鼓を打てた。時間の流れがまったく違った旅先の思い出が2つもできたIVSには感謝している。
サイドイベントのパネルディスカッションの議題は、「Web3.0領域に入ったきっかけ」や「Web3.0領域の面白いと思うところ」など。学生主体のイベントということもあり、参加者の8割以上が学生であったため、私の学生の頃を思い返しながらどんな話ができるかふと考えた。
私の学生時代はちょうど自己啓発系のビジネス書が盛り上がりをみせていた時期だったと記憶している。よく友人が昨晩読んだのであろう本の話をしてくれた。