国内外のWeb3.0企業らが京都に集結
そのなかでも多くの参加者が集まった「MOOI Network」に焦点を当てリポート
ブースの雰囲気や登壇内容を網羅的に掲載。MOOIのこれからについて独占インタビューも実施した。
6月28日から30日にかけて行われた大規模スタートアップカンファレンス「IVS 2023 KYOTO」。国内外から集まった有力なスタートアップや最新のビジネス動向に関する情報を得るべく、1万人以上が会場へ押しかけた。
IVSは2007年より開催されているカンファレンスで、昨年には「IVS Crypto 2022 NAHA」を沖縄で開催し、2,000人以上が参加した。2023年においても国内最大規模のWeb3.0カンファレンスとして、「IVS Crypto 2023 KYOTO」を開催している。
本カンファレンスではAI技術を活用したソリューションを提供する企業のブース出展も目立ち、多くの参加者が足を運び話し込む姿があった。AI関連のセッションも立ち見が続出するなど、改めて関心度の高さがうかがえた。
一方のIVS Crypto 2023 KYOTOも多くの人で賑わった。Web3.0をどのようにマスアダプションしていくかというフェーズに移行した2023年。今年も折り返しの時期を迎え、各企業・プロジェクトが進捗報告やあらたなプロダクトの紹介等を行い、多くの参加者が興味を示していた印象だ。
IVS Crypto 2023 KYOTOは昨年を遥かに上回る規模で開催され、250以上ものセッションが行われた。登壇者は国内外から集まったWeb3.0領域の最前線を走るトッププレイヤーたちばかりであり、本カンファレンスにあわせて情報公開を行うプロジェクトなども多数見受けられた。
セッションで語られた内容は暗号資産やNFT、DAO、ステーブルコインなど多岐にわたり、各々が取得したい情報をピンポイントで得られるものであったといえる。特にWeb3.0を取り巻く規制動向については多くの参加者が関心を寄せている様子で、関連するセッションは賑わいをみせていた。
また、カンファレンスにあわせて参加企業やプロジェクトによって自主的に開催されたサイドイベントは約100件にものぼった。各所で多くの参加者が集まり、サイドイベントを通じて親交を深めようとする参加者の姿がみられた。
Web3.0に対する関心が依然として高 いことを裏付けることとなった本カンファレンス。そのなかでも今回、多くの参加者が集まったブースの1つである「MOOI Network」に焦点を当て当日の様子をレポートしていく。
本格稼働からわずか1年で世界トップ10入りの実績
MOOI Networkが日本市場開拓に向け動き出す
▶︎ブースの様子
MOOI Network(MOOI)はアバターアプリでは国内で圧倒的な人気を誇る『ポケコロ』、『リヴリーアイランド』などのサービスを展開するココネのグループ企業・POST VOYAGERが手がけるブロックチェーン。
昨年より本格稼働を開始し、すでにNFTマーケットプレイス『Jellyme』をリリースしているほか、ココネが持つIPを活用したNFTゲームも展開する。いずれもシンプルかつ利用しやすいUI・UXとなっており、グローバルを中心に支持を集め始めている。2023年は規模をさらに拡大させるべく、日本での展開にも注力する。
MOOIはIVS Crypto 2023 KYOTOにおいて大企業らと並びプラチナパートナーとして参加。会場の中央に位置するステージ会場「Web3 Stage」から近い一画にブースを構え、多くの参加者が足を運んだ。
ブース横にはUFOキャッチャーを催したアトラクションを設置するなど、難しいイメージのあるブロックチェー ンを知ってもらうための工夫もみられた。足を止めた一般の参加者や事業者らがMOOIに興味を持ち、話を聞き込む場面も印象的であった。
ブースで取材に応じたPOST VOYAGERの日本法人であるVoyager Japan株式会社の代表取締役である趙訓濟氏は、会場の熱気や参加者の意欲を踏まえ、「MOOIのさらなる認知度向上に努めていきたい」と意気込みを語る。
また、同社におけるWeb3ビジネスディレクターのオレグ・スマギン(Smagin Oleg)氏も「ココネから始まったプロジェクトとして、MOOIはこれまでオンボーディング等に努めてきた」とプロジェクトを振り返った。さらに、本カンファレンスを通じて「日本の優秀なプロジェクトとの提携も視野に入れて発展させていきたい」と述べ、MOOIの日本市場開拓に向けた動きを加速度的に進めていく考えを示した。
最速のブロックチェーンを提供することが責務
▶︎登壇するMOOI Network・オレグ氏
オレグ氏は2日目のピッチにも登壇し、MOOIの展望に言及。特に印象的だったのが、エンドユーザーに対し「最速のブロックチェーンを提供することが責務だ」と強調していた点。
MOOIに限らず、Web3.0エコシステムの拡大には一般ユーザー及びアプリケーションを開発するエンジニアらにとって使い勝手の良いブロックチェーンであることが必要不可欠だ。
その上で、優れたトランザクション処理能力を有するブロックチェーンは、あらゆる場面で重宝される。特にNFTやゲーム等でブロックチェーンの活用が増えている今、取引手数料が安価である点も重要な要素だ。
MOOIは取引手数料が非常に安価でなおかつトランザクションを高速処理できる点が強み。こうした特徴が評価され、MOOI基盤のJellymeは取引量で世界トップ10入りを果たしたNFTマーケットプレイスになったとオレグ氏は明かした(DappRadar参照)。
本格稼働からわずか1年程度であるにも関わらず、競争が激しいNFT領域で早速実績を生み出したことは、MOOIの信頼を裏付けるものになったといえる。
▶︎すべてのMOOI Network基盤NFTを取引できるマー ケットプレイス。ココネが持つ豊富なIPを誰でも簡単に取引可能。一般ユーザー・開発者が利用しやすいUI・UXを意識。手数料が安価で取引処理能力が高い点も強み。
Profile
◉オレグ・スマギン(Smagin Oleg)
POST VOYAGER Web3ビジネスディレクター。Web3ビジネスの専門家として2021年からMOOI Networkの戦略を担当している。2019年からWeb3領域で活躍しており、CoinDeskやBlockWorks、Coin TelegraphなどブロックチェーンのメディアにWeb3関連の執筆活動をしている。KAIST経営大学院MBA学位を所持。
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