投資会社アンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz:a16z)傘下のWeb3.0ベンチャーキャピタル・a16z cryptoが16日発表したレポートによると、現在世界で6億1,700万人の暗号資産(仮想通貨)保有者がおり、月間アクティブユーザー数は6,000万人に達しているということがわかった。
今年の暗号資産に関する活動と使用は、過去最高を記録しているという。
月間アクティブ暗号資産アドレスは2024年に2億2,000万人を超え、イーサリアム(ETH)仮想マシン(EVM)チェーンでは、Baseが2,200アドレスでトップに立ち、非EVMチェーンでは、ソラナ(SOL)が1億を超える。その後は、ポリゴン(POL)が7.9%、オプティミズム(OP)が6.7%、アービトラム(ARB)が6.2%、アバランチ(AVAX)が4.2%、ビットコイン(BTC)が4.2%と続く。
今年はモバイルウォレットユーザー数も過去最多となり、米国が世界のユーザーの12%を占めた。
ただし、暗号資産の採用は世界的に拡大しており、ジオフェンシングによって米国を除外することで、規制遵守を求めるプロジェクトが増加していることから、モバイルウォレットユーザーベース全体に占める米国のシェアは近年減少傾向にある。
米国の次にモバイルウォレットの利用者数が多い国は、規制インキュベーションプログラムを通じて規制の明確化を図り、請求書の支払いや小売購入などの消費の利用が大幅に増加しているナイジェリア、人口とスマートフォンの普及が急増しているインド、通貨切り下げのなか、多くの住民が暗号資産、特にステーブルコインを資産の移し替えを行っているアルゼンチンなどがある。
アクティブアドレスや月間モバイルウォレットユーザー数を測定することは簡単であるが、実際のアクティブな暗号資産ユーザー数を測定することは困難だ。
しかし、さまざまな方法論的アプローチを組み合わせて、a16zは測定に成功し、世界中の月間アクティブ暗号資産ユーザー数が3,000万人~6,000万人に達していると推定した。ただこの数値は、世界の暗号資産保有者約6億1,700万人のうち、わずか5~10%に過ぎない。この数値は今後さらに増加すると推定される。
レポートでは、「我々は、ブロックチェーンのスケーリングを急速に進め、アプリケーションとユーザーアクティビティのあらたな可能性を切り開く暗号資産インフラの転換点にいるようだ。ユーザー取引手数料の急激な低下は、ステーブルコインが製品市場に適合することに役立っている。また、NFTを巡る行動にも変化がみられており、それが非常に興味深いものとなっている。低コストのソーシャルコレクションが増加し、高額で投機的な二次市場での活動が減っている」と述べている。
暗号資産現物ETFに着目すると、ビットコイン(BTC)現物ETFも1月に米国で承認されて以来、一貫して投資家からの関心を集めている。10月15日時点での累計取引量は4,376億ドル(約65兆円)にまで達している。
米大統領選挙において重要な政治問題になっている暗号資産
暗号資産は今回の米大統領選挙期間中に全国的な議論の的となった。そこでa16zは激戦州における暗号資産の関心の相対的なレベルを測定した。
ペンシルベニア州とウィスコンシン州では、Googleトレンドを使用して総検索数の割合で測定したところ、2020年の選挙以来、暗号資産関連の検索が4番目と5番目に来るなど大きく上昇した。ミシガン州では8番目に上昇し、ジョージア州では横ばいだった。一方アリゾナ州とネバダ州は2020年以降、関心が低下した。
参考:a16z crypto
画像:Shutterstock
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