サム・バンクマン・フリード氏が率いた暗号資産取引所FTXの元幹部のキャロライン・エリソン(Caroline Ellison)氏は投資家、貸し手、顧客から数十億ドル(数千億円)を盗んだ詐欺罪で24日に懲役2年の刑を言い渡された。
エリソン被告はさらに重い刑罰を受ける可能性もあったが、裁判官は連邦捜査官と徹底的に話し合い、有罪を認め、最終的には昨年11月の裁判で3日間にわたり、サム・バンクマン・フリード(Sam Bankman=Fried)氏に不利な証言をしたことで、裁判官と検察官はエリソン氏の協力を一定評価した形だ。
米連邦地方裁判所のルイス・A・カプラン(Lewis Kaplan)判事はエリソン氏の協力は「非常に実質的」かつ「注目に値する」ものであったと述べた。
しかし裁判官は、被告は「この国、そしておそらくどの国でも、史上最大、あるいは少なくともそれに近い金融詐欺」に関与していたため、懲役刑が妥当であるとも述べており、エリソン氏は11月7日に刑務所に出頭するよう命じられた。
FTXは2022年11月に破綻するまで、スーパーボウルのテレビ広告やワシントンでの大規模なロビー活動で知られた。一時は世界でもバイナンスに次ぐ業界第2位の暗号資産取引所だった。
米検察は、バンクマン・フリード氏とほかの幹部らが、取引所の顧客口座から資金を不正に流用し、リスクの高い投資を行い、数百万ドル(数億円)以上の違法な政治献金を行い、中国当局者に賄賂を贈り、カリブ海諸国で高級不動産などを購入したと告発した。
エリソン氏は判決公判で涙ながらに謝罪
エリソン氏は、バンクマン・フリード氏が実質管理していた暗号資産ヘッジファンド、アラメダ・リサーチのCEOだった。エリソン氏は
「自分のしたことを深く恥じています」と判決公判で述べ、直接的、間接的に傷つけたすべての人に「本当に申し訳なく思っています」と涙を流して述べた。
24日の法定で、ダニエル・サスーン(Danielle Sassoon)連邦検事補は、エリソン氏の証言は、詐欺罪で懲役25年の有罪判決を受けたバンクマン・フリード被告に対する「決定的で強力な証拠」を提示したとして、判事に寛大な処置を求めた。
エリソン氏の弁護士で法律事務所Wilmer Haleのマネージング・パートナーであるアンジャン・サーニ(Anjan Sahni)氏は、被告人とバンクマン・フリード氏の恋愛関係が断続的だったことや、被告人の「職業生活と私生活のすべてが」彼を中心に回っていたことで生じた損害など「異常な状況」をあげ、被告人を刑務所から釈放するよう裁判官に求めた。
裁判の証拠によれば、FTXの事業が行き詰まり始めると、エリソン氏はFTXが破綻する前から従業員たちに大規模な詐欺行為があったと告発していたようだ。
カプラン判事はエリソン氏が検察官と協力する意欲は並外れたものだと同意し、過去にも例がないほどの協力に理解を示したものの、協力を免罪符にすることはできない意向も示した。
バンクマン・フリード氏は裁判で陪審員に対し、自分は経験不足で不器用だが、犯罪者ではないと証言し、ミスを犯したことは認めたが、誰かを騙すことなどしたことなく、アラメダ・リサーチが数十億ドル(数千億円)の損失を抱えていたことも知らなかったと述べている。
検察官のサスーン氏には法廷での証言を「回避的で、軽蔑的でさえある」と批判された。
参考:BBC
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