米AI開発企業Anthropicは27日、同社のAIモデル「Claude」を活用した創薬研究の進捗を発表した。過去数ヵ月にわたり新薬を開発する6組織と研究提携を進めてきたほか、自社での創薬にも着手したという。
提携先はBigHat Biosciences、Bristol Myers Squibb、Divergence Labs、Enveda、Generate Biomedicines、The Column Groupの6組織で、分子設計から製造、規制当局向けの書類作成、臨床試験の計画まで、開発の各段階でClaudeを活用している。
たとえばEnvedaでは、製造関連文書1,061ページの検証で、人間のレビュー担当者がみつけた問題11件をすべて検出した上、見落とされていた7件も指摘し、レビュー時間を89%削減したという。
また、Anthropicは希少な筋ジストロフィーの治療薬を開発する1人企業Mithril Medicineを買収したことも明らかにした。Mithril Medicine創業者のコーディ・トランバーガー氏はClaudeを用いて外部11機関との契約や実験を管理し、18ヵ月未満で治療薬候補をマウスでの有望な結果にまで進めたという。早ければ2028年後半にもヒトでの臨床試験を開始できる見込みだとしている。
なお、研究の大半は前臨床段階にあり、今後は臨床試験においてもClaudeの役割を広げていく方針だ。
Anthropicは26日、IPO(新規株式公開)に向けてSEC(米証券取引委員会)に登録届出書「Form S-1」を提出し、目論見書を公表した。ナスダック・グローバル・セレクト市場への上場を目指し、ティッカーシンボルは「ANT」。公開株数や価格帯は未定としている。
目論見書では、Claudeが顧客企業やバイオテクノロジー分野のパートナー、自社の研究者による創薬に利用されていると説明。ヘルスケア・ライフサイエンスを、成長戦略における新市場の1つに掲げている。
今回の自社創薬に関する発表は、上場を控えたAnthropicが事業領域の広がりを示す狙いがあったものとみられる。
業績面では、2026年1〜6月期の売上高が約163億ドル(約2.5兆円)と、前年同期の約12億ドル(約1,895億円)から大幅に増加した。一方、純損失は約807億ドル(約12兆7,500億円)にのぼったが、その大半は転換社債などの公正価値の変動に伴うものだ。
参考:発表
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