暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)は7日、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビの金融規制局ADGM(アブダビ・グローバル・マーケット)に申請していた投資ファンドのライセンスを撤回した。ロイターなどが報じた。
ADGMによると、バイナンスのUAE法人「BVインベストメント・マネジメント」は、昨年11月にアブダビの金融サービス規制局にライセンス申請を提出していたが、7日に申請を取り下げたようだ。
バイナンスの広報担当社はロイターに対して、「世界的なライセンスのニーズを評価した結果、この申請は必要ないと判断した。バイナンスは引き続き中東などの規制当局と協力することに尽力する」と述べた。
また、今回の措置はマネーロンダリング防止規則違反の疑いでバイナンスが米政府と和解したこととは無関係であると強調している。
先月、バイナンス及びその創業者で元CEOのCZ(Changpeng Zhao)氏は罪を認めた。バイナンスは米規制当局に43億ドル(約6,250億円)の罰金を支払うことに同意し、CZ氏は責任をとる形でCEOを辞任している。
UAEでの動き
デジタル資産ハブを目指しているUAEは、バイナンスにとって重要な拠点となっている。バイナンスは以前、中東と北アフリカ(MENA)におけるマーケット戦略の一環として、ドバイとアブダビで規制当局の許可を得ていた。また、昨年4月にはアブダビで100人以上の求人募集を行っていると発表していた。
バイナンスの新CEOであるリチャード・テン(Richard Teng)氏は、ロンドンでの講演で「同社の中東と北アフリカの本社はドバイにある」と述べ、グローバル本社の所在地を今後発表すると述べたが、発表時期について明らかにしなかった。
参考:ロイター
画像:Shutterstock
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