暗号資産(仮想通貨)取引所大手Binance(バイナンス)は30日、同日発生したセキュリティインシデントの被害総額が約63億ドル(約1兆円)にのぼるとの推計を発表した。
これまでCoinbaseのコナー・グローガン氏などが最大58億ドル(約9,160億円)と推計していたが、Binanceの初期調査ではそれを上回る規模となった。
Binanceによると、システムの開発・運用を担うDevOpsエンジニアのノートパソコンが侵害された可能性があるという。攻撃者はこれを足がかりに何らかの方法で管理サービスにアクセスし、不正な出金取引を送信したとみられる。
一方で、ウォレットの秘密鍵が流出した証拠はみつかっていないとしている。
また、関係企業と連携し、約30億ドル(約4,737億円)相当の資産をブロックチェーン上で凍結したことも明らかにした。凍結額は前回発表時点の25億4,000万ドル(約4,000億円)から増加しており、今後も凍結に向け連携を図っていく模様だ。
損失については、ユーザー保護基金「SAFU」と自社資金で全額を補償する方針を示しており、ユーザー資産は安全だとあらためて強調している。
Binanceは、影響を受けたアドレスの認可を取り消した上で、法執行機関と緊密に連携し、攻撃者の特定と資金の追跡・回収を進めているという。
なお、Binanceにおける出金サービスは安全確認のため引き続き停止しており、再開時期は示されていない。
Binanceは、調査と検証の完了後に技術的な調査報告書を公表するほか、復旧対応の完了後に準備金証明(Proof of Reserves)を更新する予定だ。
被害額が確定すれば、2025年2月にBybitで発生した約15億ドル(約2,370億円)の流出の4倍以上となり、暗号資産の不正流出事件として過去最大規模となる。Bybitの事件では、ウォレットサービスを手がけるSafeの開発者の端末が侵害されたことが原因とされている。
市場では、BNBが一時24時間で8%超下落したものの、日本時間30日11時半頃には下落率が4%台に縮小した。
参考:Binance発表
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