暗号資産(仮想通貨)取引所大手Binance(バイナンス)において30日、ホットウォレットから巨額の暗号資産が外部へ流出した可能性が高いことが判明した。
Binanceは同日、セキュリティ上の問題の可能性について調査中だと公式Xで発表し、予防措置として出金を一時停止した。
ブロックチェーン上のデータによると、日本時間30日5時24分頃、イーサリアム上のホットウォレットから約16万7,000ETHや約16億USDTなど、60種類以上のトークンが1回の取引で新規アドレスへ送られた。
その後もビットコイン(BTC)やトロン(TRX)など複数のブロックチェーンで流出が続いたとみられる。攻撃者とみられるアドレスは、ミキシングサービスのTornado Cashを経由して資金を調達していたことも指摘されている。
流出額は集計範囲によって異なり、Coinbaseのコナー・グローガン氏は最大58億ドル(約9,160億円)が不正流出したと推計している。
一方、ステーブルコインの発行体は迅速に資金の凍結に動いた。TetherのCEOであるパオロ・アルドイーノ氏は15億6,700万USDT超(約2,474億円)を、CircleのCEOであるジェレミー・アレール氏は8億USDC超(約1,263億円)を凍結したと明らかにした。
Binanceによれば、Rippleなどによる凍結も含め、確認済みの凍結額は合計25億4,000万ドル(約4,011億円)にのぼり、今後さらに増える可能性があるという。
Binanceは利用者の資金は完全に安全だと説明しているものの、被害額や原因は公表していない。
Binance創業者で元CEOのCZ(チャンポン・ジャオ)氏はXで「Binanceへのハッキングのようにみえる」と述べた一方、ユーザー資産については「安全だろう」との見解を示している。
今回の事象が正式にハッキングと確定すれば、2025年2月にBybitで発生した約15億ドル(約2,369億円)の流出を上回り、暗号資産の不正流出事件としては過去最大規模となる。Bybitの事件については、FBI(米連邦捜査局)が北朝鮮のハッカー集団によるものと断定していた。
また、流出の報道を受けて暗号資産市場は全面安となり、ビットコインは一時79,000ドルを割り込んだ。BNBも24時間で7%超下落した。
なお、国内ではBinance Japanが日本居住者向けにサービスを提供しているが、執筆時点で本件に関する案内は出ていない。
今後、Binanceによる被害額の確定や原因の公表等に注目が集まるものとみられる。
参考:Binance発表、CZ氏投稿
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