Bybit、過去最大規模のハッキング被害 2,200億円相当の暗号資産が流出

2025/02/22 05:50 (2025/03/28 11:01 更新)
Iolite 編集部
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Bybit、過去最大規模のハッキング被害 2,200億円相当の暗号資産が流出

Bybitの対応と影響

22日、暗号資産(仮想通貨)取引所Bybitにおいて発生したハッキングにより、約14億ドル(約2,200億円)相当の暗号資産が盗まれた。内訳としては、401,347ETH(約11.2億ドル)のほか、90,376stETH(約2.53億ドル)、15,000cmETH(約4,413万ドル)、8,000mETH(約2,300万ドル)となっている。

この事件は暗号資産業界において過去最大級のハッキングとされており、取引所のセキュリティ対策に改めて注目が集まっている。

ハッキングの手口と影響

複数の報道によれば、現時点で北朝鮮のハッカー集団「Lazarus Group」の関与が指摘されている。

ハッキングに至った経緯として、Bybitにおいて残高が一定の基準に達した場合に行われる資金を移動する業務フローの過程で、公式のSafeウェブサイトを通じて、送金先のウォレットアドレスや取引内容をチェックする作業が生じる。

その過程でウォレットの署名者に対して偽のユーザーインターフェースを提示し、正しいアドレスが表示されるようにみせかけ、署名者は悪意のあるトランザクションを承認してしまった可能性が高いといわれている。

流出した資産の規模からも、今回のハッキングが業界に与える影響の大きさがうかがえる。

Bybitの対応とCEOの声明

BybitのCEOであるベン・チョウ(Ben Zhou)氏は、この事件について公式声明を発表し、すべての顧客資産は1対1でバックアップされており、今回の損失は同社の資産でカバーできると強調した。

また、ほかのコールドウォレットは影響を受けておらず、出金処理も通常通り行われていると説明し、ユーザーの不安を払拭しようとしている。想定される顧客の出金に対応するため、パートナーからのブリッジローンで盗まれた総額の80%相当をすでに確保しているともされている。

市場への影響と今後の課題

このハッキング事件を受け、暗号資産市場全体にも影響が及び始め、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)の価格は事件発生直後から下落した。

今回の事件は、暗号資産取引所におけるセキュリティリスクの大きさを改めて浮き彫りにした。中央集権型取引所における資産管理の脆弱性が指摘されるなか、今後はウォレットの管理体制の見直しや、より高度なセキュリティ技術の導入が求められる。Bybitが今後どのような対策を講じるのか、業界全体の対応とともに注目が集まる。

参考:Bybit
画像:Shutterstock

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