国内暗号資産(仮想通貨)取引所ビットバンクは21日、一般ユーザー1,433人を対象として実施した「暗号資産投資実態・市場に関するアンケート調査」の結果を発表した。
その結果、51%以上の回答者が暗号資産を含むNISAやiDeCoなどの金融商品へ「資産運用している」と回答した。また、2024年は暗号資産の価格上昇と将来性に期待があると答えた。
アンケート実施の背景としては、日本政府が今年6月に「経済財政運営と改革の基本方針2023」を閣議決定し、資産運用の持続的成長を促進するための国家戦略を推進していることをあげている。
その一方で、暗号資産については資産運用の対象になっていないとし、暗号資産業界の課題になっているとビットバンクは指摘する。また、2022年より続いた「暗号資産冬の時代」についても言及し、世界的な不穏な状況、マクロ経済の不確実性の増大、FTXなど大手暗号資産取引所の破綻などの影響もあり暗号資産に対する関心や期待が低下していると述べた。
しかし、最近では米国においてビットコイン現物ETFの承認期待が高まっていることから、暗号資産価格が上昇し、あらたな展望が広がりつつある。そうした状況下で、ビットバンクは暗号資産に対する投資実態・市場に関するアンケート調査を実施したという。
暗号資産への投資は約6%
アンケートは11月27日から28日にかけて1,433人を対象として行われた。アンケートによれば、暗号資産に投資しているのは資産運用を行っていると答えた回答者51.6%のうち6.6%だった。
▶︎引用元:ビットバンク
また、暗号資産に投資していると答えた回答者のなかで、実際に暗号資産の資産運用に充てた投資金額比率は5%未満が51.8%と大半を占めた。時点で5〜10%未満が20.7%、10〜30%未満が15.6%と続く。
さらに、資産運用や投資を始めた理由としては、「老後の生活資金を準備するため」が53.5%となった。また、「自由に使えるお金を増やしたいため」という回答が時点で続く、35.6%であった。
▶︎引用元:ビットバンク
なお、資産運用をしていないという回答者のうち、暗号資産については「知識がない」が33.7%、「リスクが高い」が31.1%を占め、暗号資産に関する知識が一般化していないことが露呈した形だ。
価格上昇に期待する声
2024年の暗号資産について期待していることに関する問いには、「価格上昇」が20.3%、「暗号資産の将来性」が13.9%を占めた。また、税制改正やブロックチェーンゲームに対する期待感も高かった。
▶︎引用元:ビットバンク
これを受け、2024年において暗号資産の価格が最も上昇する時期については、ビットコイン(BTC)半減期が訪れる予定の4月が最も高く、21.7%だった。その前月の3月が19.3%で続いた。こうした結果から、来年春頃にかけて価格上昇を期待する層が一定数いることがうかがえる。
▶︎引用元:ビットバンク
ビットコインの予想最高値については400万円から500万円が27%と最も多く、1,000万円以上は3.4%だった。日本では海外の期待感と比べ、慎重な見方が強い格好だ。
▶︎引用元:ビットバンク
ビットコイン価格の上昇の理由として、「アメリカの金融緩和期待」が14%と1位だった。来年は米経済のリセッションが予想されているが、「世界の不穏状況に伴い暗号資産ビットコインの価値向上」という理由も2位につけた。デジタルゴールドとも呼ばれるビットコインを代替手段として購入することが期待されている。
期待している暗号資産については、ビットコインが1位で、次いでイーサリアム(ETH)、リップル(XRP)が続いた。
▶︎引用元:ビットバンク
期待はしつつも、ビットコインへの投資額は「3万円未満」が29.8%とトップだった。理由として「日本における暗号資産の市場規模が小さい」が最も多かった。次いで「個人のウォレットにおけるセキュリティ課題」が15.0%、「暗号資産取引所における情報セキュリティ課題」が14.9%となり、セキュリティ面に懸念を抱いているユーザーが多いことが浮き彫りとなった。
参考:調査結果
画像:Shutterstock
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