世界最大の資産運用会社ブラックロックは暗号資産現物ETFの運用資産(AUM)でグレースケールを抜き、世界最大の運用会社となった。
ブラックロックはすぐにグレースケールを追い越し、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の現物ETFの運用資産が220億ドル(約3兆2,340億円)に達した。
グレースケールはソラナ(SOL)とチェインリンク(LINK)のETFを含めると、207億ドル(約3兆429億円)の資産を運用している。
この背景には、7月23日のイーサリアム現物ETFの立ち上げで加速し、多額の資金流入を集めたが、グレースケール・イーサリアム・トラスト(ETHE)は継続的な資金流出があったことがある。
ビットコインとイーサリアムに対する機関投資家の関心が、ブラックロックのこの分野における成長の重要な原動力となった。
現物ETFの承認により、暗号資産に対する投資家の信頼は強化された。
特に、ブラックロックのイーサリアム現物ETFは9億6,600万ドル(約1,420億円)の純流入を記録したが、グレースケールは23億ドル(約3,381億円)の流出を記録していた。
ブラックロックとグレースケールの競争は依然として激しく、両社のビットコイン現物ETFには15億ドル(約2,200億円)の差がある。
グレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)は187億ドル(約2.7兆円)の運用資産でトップに立っているが、継続的に資金は流出している。ブラックロックのアイ・シェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)は172億ドル(約2.5兆円)まで資金流入が続いており、抜き去るのは時間の問題だ。
グレースケールは地位を維持するために広告に投資を行っている。ブラックロックは安い手数料が売りとなっている。ブラックロックのイーサリアム現物ETFの手数料率は0.25%に対してグレースケールは2.5%の手数料が必要となっている。
暗号資産現物ETF分野でブラックロックの台頭は、よりアクセスしやすく手頃な価格の金融商品への幅広いトレンドを反映している。
安い手数料が売り
グレースケールがリーダーとしての地位を取り戻すことに苦戦しているなか、デジタル資産の未来はブラックロックのような金融業界の王者によってますます支配されるように見える。
そもそもブラックロックは過去においても世界最大の資産運用会社であり、その信頼と安全性も確保し続けてきたという実績がある。それに加えて安い手数料となれば、グレースケールからブラックロックに乗り換えるのは投資家にとって必然の行動ともいえる。
ブラックロックは競争力のある商品、効率的な資産管理、そして準備段階のRWA市場への大規模な参入など継続的なイノベーションで投資家を引き続けている。
参考:Arkham
画像:Shutterstock
関連記事
ソニー、子会社を通じて暗号資産取引所運営に参入
ゴールドマン・サックス、588億円相当のビットコインETFを保有