韓国の暗号資産(仮想通貨)取引所における取引高が10日、同国の株式市場を上回ったことがわかった。
報道によると、暗号資産の取引高は11.8兆ウォン(約1兆3,200億円)を記録。8日の韓国における株式市場の取引高11.47兆ウォン(約1兆2,870億円)を上回った。
また、ビットコイン(BTC)価格においても史上初めて1億ウォン(約1,120万円)を突破した。記事執筆時点でも、韓国大手暗号資産取引所アップビット(Upbit)において1億150万ウォン(約1,140万円)ほどで取引されている。年初時点では約5,700万ウォン(約640万円)で取引されていた。
日本円換算した際、現時点で韓国の暗号資産取引所と他国では暗号資産価格が乖離している。韓国でのレートが高い状況にあるが、これは同国特有の「キムチプレミアム」が生じている影響だ。
キムチプレミアムとは、韓国の暗号資産取引所と他国の暗号資産取引所における、暗号資産の価格差を指す言葉だ。この価格差を指数化した「Korea Premium Index」によれば、韓国と他国の暗号資産取引所における乖離は10%ほどとなっている。この数字は2年ぶりの高水準だ。
韓国においては与党・国民の力が暗号資産政策に注力する姿勢をみせているほか、ビットコイン現物ETFの取り扱いについて前向きな動きがみられている。こうした情勢を踏まえ、特に個人投資家の動きが顕著だ。
デリバティブ市場では過熱感に警戒も
ビットコインは韓国で1億ウォンという大きな節目を迎えたが、こうした市場の過熱感の高まりを警戒する動きもある。
デリバティブ市場においても市場の過熱感が数字にあらわれている。機関投資家向けの取引所であるシカゴ商品取引所(CME)で取引されるビットコインデリバティブの建玉は、過去最高の10億ドル(約1,475億円)に達した。ビットコインデリバティブ市場におけるCMEの市場シェア率は25%に相当する。
また、暗号資産取引所バイナンス(Binance)及びOKXにおいても決済契約数が過去最高に達した。建玉が増加すると市場のボラティリティが大きくなり、急激な変動が発生する可能性がある。
一方、米国のビットコイン現物ETFは依然として高い需要を示しており、なかでも世界最大の資産運用会社であるブラックロック(BlackRock)が保有するビットコインは8日時点で19万6,065BTCにのぼった。これは単一企業として最もビットコインを保有する米マイクロストラテジー(MicroStrategy)をこの時点で上回る水準だ。
参考:報道
画像:Shutterstock
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