ビットコイン乱高下 CPIや日銀の利上げ観測などに警戒感

2025/12/18 16:15
Shogo Kurobe
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ビットコイン乱高下 CPIや日銀の利上げ観測などに警戒感

米国市場の動きに連動する形に

18日の暗号資産(仮想通貨)市場は乱高下している。ビットコイン(BTC)は一時85,000ドル(約1,320万円)割れまで迫り、アルトコイン全般においても大幅な下落をみせた。記事執筆時点では若干回復に向かっているものの、様子見基調は強い。

17日の米国市場は、FRB(米連邦準備理事会)のウォラー理事が米CNBCに出演し、今後の利下げについて「(追加利下げの)余地がある」と言及したことで一時上昇する場面があった。その一方で、Oracle(オラクル)におけるAIデータセンターへの出資協議の先行きが不透明となったことを受け、同社株価が急落。この影響は他ハイテク株にも波及し、NYダウなどの主要指数も下落した。

ビットコインなどの暗号資産は米国市場の動きに終始連動する形となり、投資家心理の悪化に伴うリスクオフの動きが加速したことから、価格が下落する格好となった。

ビットコインを巡っては長期保有者による売りが加速しているとの分析があるほか、機関投資家を中心とした現物ETFからの資金流出などもあり、需要が低下しているとの指摘がある。また、欧米でクリスマス休暇が近付いていることを踏まえ、今後流動性がさらに低下する可能性がある。

米CPIと日銀の利上げ動向を注視か

18日には米国のCPI(消費者物価指数)が控えている。先日、0.25%の利下げが決定されたものの、FRBのパウエル議長は今後の利下げ動向について「会合ごとに判断する」と強調した。FOMC(連邦公開市場委員会)では利下げを巡り意見の対立が激しさを増しており、さらにはパウエル議長の任期が2026年5月までとなっていることから、利下げ動向については不透明な状況が続くものとみられる。

また、19日には日銀政策決定会合が予定されており、利上げの可能性が指摘されている。金融市場のみならず、暗号資産市場においても利上げによりボラティリティ高まる可能性が考えられる。

現在の暗号資産市場はCPIと日銀政策決定会合の結果を待つ形となっている。これらを踏まえて暗号資産市場は慎重な動きをみせているが、結果次第で価格が乱高下する可能性もあるため警戒が必要となる。

画像:Shutterstock

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