海外暗号資産(仮想通貨)取引所Bullishは20日、米暗号資産メディア・コインデスク(CoinDesk)を買収したと発表した。全額現金取引でコインデスクの100%の株式を取得したという。なお、金額は明らかにしていない。
Bullishは元ニューヨーク証券取引所社長のトム・ファーリー(Tom Farley)氏がCEOを務める暗号資産取引所だ。コインデスクは2016年にもデジタル・カレンシー・グループ(DCG)に50万ドル(約7,450万円)で買収された過去がある。
BullishはコインデスクCEOのケビン・ワース(Kevin Worth)氏を始めとする経営陣を留任し、独立した子会社として運営されると述べた。コインデスクは、ジャーナリズムの独立性を確保するために編集委員会を立ち上げる予定だ。
著名投資家も参加するBullish
2021年11月に立ち上げられたBullishは、決済大手ペイパル(PayPal)の共同創業者であるピーター・ティール(Peter Thiel)氏などのファウンダーズ・ファンド(Founders Fund)や、ヘッジファンドマネージャーのルイス・ベーコン(Louis Bacon)氏等、著名な投資家に支援されている。
ファーリーCEOは2014年から2018年までニューヨーク証券取引所の社長を務めていた。昨年、Bullishはブランク・チェック・カンパニー(SPAC)と合併し、ニューヨーク証券取引所に上場を経て90億ドル(約1兆3,400億円)の資金調達をする計画を立てていたが中止している。
ファーリー氏は発表で、コインデスクを成長させるべく、多額の資金を用意していると表明した。たとえば、Bullishはアジアへカンファレンス事業を展開する上で、コインデスクが非常に重要なポジションにあると考えているようだ。アジアでは暗号資産に対して強気の企業が香港とシンガポールに存在しており、コインデスクは地元に根付いたメディアになっているとしている。
コインデスクの買収計画は以前にも
コインデスクに関する買収の計画は以前にもあった。投資家シンジゲートはコインデスクを約1億2,500万ドル(約187億円)で買収する最終段階であることを発表していた。
この投資家グループは、暗号資産とブロックチェーンテクノロジー企業の民間投資会社であるタリー・キャピタル(Tally Capital)のマシュー・ロザック(Matthew Roszak)氏と、ベンチャーキャピタルのキャピタル6のピーター・ヴェセネス(Peter Venus)氏が中心となっていた。
参考:発表
画像:Shutterstock
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