米金融大手JPモルガン(JPMorgan)のCEOであるジェイミー・ダイモン(Jamie Dimon)氏は12日、豪州にて開催されたビジネスサミットにおいて、「ビットコイン(BTC)を購入する権利は守る」と言及した。ロイターなどが報じた。
ダイモン氏はビットコインを始めとした暗号資産(仮想通貨)に対して否定的な立場をとってきたことで知られる。昨年には、米上院の公聴会において「私が政府だったら暗号資産を閉鎖する」と述べるなど、強く非難していた。
今回オンラインにて参加したビジネスサミットでも、「ビットコインは詐欺やテロなどのような違法行為に多く使われている」と指摘した。
その一方で、「たばこを吸う権利は守るし、ビットコインを買う権利も守る」と述べた。こうした発言から、これまで一貫して暗号資産を否定し続けてきた同氏の態度に変化がみられつつあることがうかがえる。
なお、ダイモン氏自身はビットコインを買うことはないと明確に否定しており、「ビットコインが何のためにあるのかわからない」とも付け加えている。
さらに、「もしあなたたちがビットコインを買おうとしているのであれば、それはリスクであると伝えておく。政府はこうした部分に目を向けているのにも関わらず、なぜ受け入れているのだろうか」と述べ、従来の考え方に変わりがないことを強調した。
利下げ時期「6月以降」
ダイモン氏はFRB(米連邦準備制度理事会)による利下げについても言及した。同氏は「インフレとの闘いを勝つためにFRBは信頼性を高める必要がある」とし、6月以降まで利下げを行うべきではないとの立場を示した。
金融緩和は「いつでも迅速かつ劇的に行うことができる」とし、「私がFRBなら6月まで待ってすべてを解決させる」と続けた。
こうした発言は12日に発表された米CPI(消費者物価指数)が市場予測を上回る上昇となったことを念頭に置いているものとみられる。
暗号資産否定派の心境に変化
一連の価格上昇及び、今年に入り米国でビットコイン現物ETFが承認されたこともあってか、ビットコインを含む暗号資産否定派の態度に変化がみられつつある。
11日には、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米前大統領も「ビットコインはあたらしい形の通貨だ」と言及した。
参考:ロイター
画像:Shutterstock
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