ステーブルコイン・USDコイン(USDC)を発行する米サークル(Circle)は11日、大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)と戦略的パートナーシップを締結したと発表した。
このパートナーシップを通じて、バイナンスはUSDコインを自社製品及びサービス全体でより広範囲に利用できるようにする。具体的には、USDコインの取引ペアやさまざまなアプリケーションなどで使用できるシーンを増やしていく方針だという。さらに、バイナンスは企業財務における重要なドル資産としてUSDコインを採用するとしている。
一方、サークルはバイナンスに対してユーザーが恩恵を受けるために必要なテクノロジー、流動性、その他ツールを提供し、ともにグローバル金融及び商取引の分野で重要な関係を構築していくと述べている。
サークルの会長兼CEOであるジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)氏は、「バイナンスが急速に世界をリードする金融スーパーアプリとなり、ステーブルコインの採用と実用性が金融システムの中核となるなか、USDコインがバイナンスのプラットフォームで広く普及するようになることは大きなチャンスだ」と語った。
また、バイナンスのCEOであるリチャード・テン(Richard Teng)氏は「サークルと緊密に協力して、ステーブルコインの革新と実用性を世界的に推進していく。チームとして協力することで、インターネット金融システムの可能性を大幅に前進させることができると信じている」と述べた。
バイナンスがサークルと提携した背景には、自社ステーブルコインを巡る課題がありそうだ。
同社は昨年、自社ブランドのステーブルコインとして発行していたバイナンスUSD(BUSD)のサポートを終了した。NYDFS(米ニューヨーク州金融サービス局)がバイナンスUSDの発行体であるパクソス(Paxos)に対して、発行停止を命じたことが要因だ。
これを受け、バイナンスは香港に拠点を置くFirst Digital Limitedの子会社・FD121Limitedが発行するFDUSD(First Digital USD)を採用したが、上位ステーブルコインと比較すると普及が進んでいるとはいえない。
そのため、テザー(USDT)に次ぐステーブルコインであるUSDコインを採用することで、ユーザーの利便性向上や取引高の増加を狙っている可能性が考えられる。
参考:発表
画像:Shutterstock