シンガポールに拠点を置きGameFiプラットフォームを展開するDEA(Digital Entertainment Asset Pte.Ltd )は4日、東電PG(東京電力パワーグリッド)、GGG(Greenway Grid Global Pte.Ltd )とともに電柱などの電力アセットを活用した参加型社会貢献ゲーム「PicTree(ピクトレ)〜ぼくとわたしの電柱合戦〜」を4月13日にローンチすると発表した。
ローンチと同時に、群馬県前橋市においてエリア限定の実証試験を行うと明らかにした。
DEA及び東電PG、GGGは昨年、参加型社会貢献コンテンツの検討に向けMOU(覚書)を締結しており、持続可能な社会の実現を目指し、Web3.0を活用した課題解決について検討を進めていた。
ピクトレは、プレイヤーがゲームを楽しみながら電柱やマンホールなどの身近な電力アセットの保守活動に協力することで、報酬としてAmazonギフト券やDEAが発行する暗号資産(仮想通貨)ディープコイン(DEP)などの報酬を獲得することができる。
具体的には、チームにわかれて電柱等の異常を撮影し、さらにそれらを「コネクト(つなぐ)」することで報酬を獲得できるという。電柱同士をコネクトした長さにより獲得できる報酬量が変化する。
ピクトレを通じたユーザーの保守活動により、電柱等の設備異常を早期に発見することへつながる。これらの活動が、社会貢献に寄与することを可能にするとDEAらは説明する。
なお、ローンチから2ヵ月間は実証実験という形で、プレイ可能エリアが前橋市の一部に限定される。実証試験期間は4月13日から6月29日で、5つにわかれたシーズンごとにプレイエリアも変わる。
前橋市とWeb3.0で協働 ▶︎前橋市・小川晶市長
この取り組みは前橋市における「都市魅力アップ共創推進事業」の一環で行われる。これに関連し、前橋市史上初の女性市長となった小川晶市長は市政会見で「持続可能な街づくりが求められる昨今において、災害時の停電を未然に防ぐ取り組みである当プロジェクトを通して、インフラ設備の点検・管理を行うとともに市有資産の維持管理の可能性を模索していきたい」と述べた。
また、合計5つのエリアで実施される同実証試験の目標参加人数は、1つのエリアで100名程度を目標としているとした上で、市内外の方々にも参加していただきたい意向を述べ、バスツアー等の企画も考えているとした。
▶︎DEA・山田耕三氏
DEAのCEOである山田耕三氏は取材に対し、「過去のタイトルには、サステナブルであるかどうかという観点で価値提供に改善の余地があった。ワークライフバランスという価値観ではなく、仕事も遊びも人生を全部楽しむといった価値観を提供したい」と語った。
あわせて、同プロジェクトの構想立案を担うGGGのイノベーションマネージャーである鬼頭和希氏は「数年後には全国各地で愛されるようなプロジェクトになって、将来的に世界中の人々に活用してもらいたい」と述べた。
市政会見後の個別取材によれば、地元テレビ局らと連携し、今年5月4日、5日に一連の取り組みのなかで行われる大学対抗の電柱合戦を地元テレビ局らと連携し、ドキュメンタリーとして公開予定であるという。
参考:発表 画像:発表より引用、Iolite編集部
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