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【NEWS】中国発の生成AI「DeepSeek」の登場でNVIDIA株一時17%の急落

2025/01/28Iolite 編集部
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【NEWS】中国発の生成AI「DeepSeek」の登場でNVIDIA株一時17%の急落

米国は半導体チップに関税を課す意向

27日、中国のAI企業「DeepSeek(ディープシーク)」のアプリケーションが米国のアプリストアで無料ダウンロードランキングの首位を獲得。AI市場の既存の勢力図に大きな変化をもたらした。

このニュースを受けて、「NVIDIA(エヌビディア)」の株価が一時17%急落したことは象徴的である。時価総額で約6,000億ドル(約92兆円)が一時的に失われ、これはNVIDIAにとって過去最大の下落幅である。

27日の米株式市場ではAIインフラ関連とされる銘柄が軒並み売られ、28日午前の日経平均株価もつられて続落、前日比の下げ幅は一時600円を超えた。暗号資産市場にもその流れが波及、リスクオフの動きがみられ、ビットコインは105,000ドル(約1,640万円)から97,600ドル(約1,510万円)付近まで7%近く下落した。

この市場の反応は、DeepSeekが低コストで高性能なAIモデルを開発していることが、NVIDIAのような高性能チップメーカーへの需要減少につながる可能性を示唆している。さらに、NVIDIAの既存技術に対する投資家の信頼感が揺らいだことが、株価下落を加速させた。

DeepSeekの台頭は、AI業界における中国企業の存在感を一層強めた。これに対し、米政府の技術輸出制限がどの程度効果を発揮するかが焦点となる。トランプ大統領が同日、外国からの半導体チップに関税を課す意向を示したことも、AI市場にあらたな波紋を広げた。

この関税政策は、米国内での半導体生産を促進する狙いがあるが、製品価格の上昇を引き起こし、消費者や業界に負担を与える可能性も危惧されている。

1/10の低コストで最新AIと同等以上の性能を発揮か

DeepSeekのR1モデルは、6,710億のパラメータを持ちながら、MoE(Mixture-of-Experts)技術を活用することで、特定タスクに必要な37億パラメータのみを活性化させる。

この技術により、計算コストを大幅に削減し、ほかの大手AI企業と比べても1/10程度の低コストで同等の性能を実現している。特に、メモリ使用量やトレーニングに必要なGPU時間を最適化することで、リソース効率の向上を図っている点が特徴だ。

また、高難易度の数学の問題、プロンプトにもとづくプログラミングのコードの生成、さまざまな質問への多言語での正答率など、DeepSeekの「V3」モデルは性能指標で、OpenAIの「GPT-4o」等のAIモデルを上回ったとするデータを公表されている。

DeepSeekの登場は、AI業界における競争を激化させ、特に米国のテクノロジー市場における既存勢力に大きな影響を与えている。NVIDIAへの衝撃や国際的な競争の激化は、AI市場のあらたな可能性とリスクを浮き彫りにしている。

低コストかつ高性能なAIモデルを実現するDeepSeekの成功は、今後のAI技術開発の方向性を大きく変える可能性がある。米国の技術的、資本的な優位性に挑戦する存在としてこれからの動向に注目が集まる。

画像:Shutterstock

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