共和党大統領候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)元大統領が、今月27日にテネシー州ナッシュビルで開催される暗号資産(仮想通貨)カンファレンス「ビットコイン2024」で講演をすることがわかった。
トランプ氏は「米国におけるビットコインの将来」について講演するという。同カンファレンスの主催者が10日に発表した。
11月の大統領選挙に向け民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領と争っているトランプ氏は、先月サンフランシスコで開催されたイベントで、暗号資産の擁護派であることを主張した。また、暗号資産を厳しく規制しようとする民主党を激しく避難している。
マール・ア・ラゴで開催した自身のNFT購入者を招いたパーティーでは、「私たちは信じられないようなことを目の当たりにしている。それは暗号資産だ。数年前の暗号資産を振り返ると、人々は暗号資産は成功しないだろうといっていたが、今では記録的な数にまで達している。これは通貨の一種であるといえる。私は賛成だ」と述べていた。
ただし、一方、CBDC(中央銀行デジタル通貨)であるデジタルドルについては反対の姿勢をとっている。
2022年にFTXを始めとする大手暗号資産関連企業が破綻し、詐欺や不正行為の露呈、また何百万人もの投資家が損失を被ったことを受け、SEC(米証券取引委員会)を始めとする規制当局の監視が強化されるなか、暗号資産業界は米国の政治家に影響を与えようと注力している。
カンファレンス主催者は公式サイトで、「トランプ前大統領は今年5月に米国のビットコイン業界への支持を表明し、金融の自由と世界を舞台とした米国のビットコイン業界の成長を主張した」と述べ、同氏がイベントの主役であると説明した。
米国における暗号資産の発展へ
トランプ氏は最近、米国企業によるビットコインのマイニングがさらに発展することを望んでいるとも主張した。6月、トランプ氏は自身が運営するSNSのTruth Socialで「我々は残りのビットコインのマイニングがすべて米国で実施されることを望む」と述べた。
数年前、トランプ氏はビットコインを「米ドルに対する詐欺」「暗号資産は大惨事を招く」と非難していたが、現在は方向転換し好意的な姿勢をみせている。
トランプ氏が1,200万ドル(約19億円)を調達した6月のサンフランシスコでのテクノロジー系資金調達イベントには、暗号資産取引所コインベース(Coinbase)の幹部、暗号資産投資家で暗号資産取引所ジェミニ(Gemini)の創設者兼CEOのタイラー・ウィンクルボス(Tyler Winklevoss)氏とキャメロン・ウィンクルボス(Cameron Winklevoss)氏、など、暗号資産業界のリーダーたちが出席した。
コインベースは6月に2,500万ドル(約40億円)を寄付。ウィンクルボス兄弟はそれぞれ100万ドル(1億5,900万円)相当のビットコインを寄付し、暗号資産取引所クラーケン(Kraken)CEOのジェシー・パウエル(Jesse Powell)氏は100万ドル(1億5,900万円)を寄付した。同氏はバイデン政権が「執行による抑制のない暗号資産規制キャンペーン」を許したと批判した。
民主党のバイデン大統領率いるホワイトハウスは、暗号資産の規制枠組みを策定するために議会と協力することに熱心であると主張している。
また、バイデン大統領も再選キャンペーンでトランプ氏に倣い、ビットコインや暗号資産による寄付を検討している。それに伴い、民主党も暗号資産に対する姿勢を変化させている。
参考:ビットコイン2024、ビットコイン2024X公式アカウント
画像:Shutterstock
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