ビットコイン(BTC)を法定通貨として世界で初めて採用したことで知られる中南米のエルサルバドルが、IMF(国際通貨基金)からの融資を受けるためにビットコイン法の一部を改正する可能性がある。9日、英フィナンシャル・タイムズが報じた。
事情に詳しい2名の関係筋が同紙に語ったところによると、エルサルバドルは今後2〜3週間で13億ドル(約1,960億円)の融資を受けるために、同国企業に対するビットコイン決済の受け入れ義務を撤廃し、任意で選択できるようにするという。法改正が行われることで、エルサルバドルは今後数年間で世界銀行から10億ドル(約1,510億円)、米州開発銀行からも10億ドルの融資が受けることが可能になる見込みだ。
エルサルバドルでは2021年にビットコインを法定通貨として定め、利用を促進させるために法整備を行なったが、国民に広く浸透させる上で苦境に立たされている。そうしたなかでの法改正は、エルサルバドルにおけるビットコインを全面に押し出した国家戦略が転換期を迎えていることを意味する。
これまでIMFはエルサルバドルに対し、ビットコインを法定通貨として取り扱うことが金融の安定性と健全性の観点から大きなリスクがあると再三にわたって警告してきた。
また、IMFは融資を行う条件として、エルサルバドル政府に歳出削減及び増税を通じて今後3年間で財政赤字をGDPの3.5%まで削減し、さらには汚職防止法の整備と、準備金を110億ドル(約1兆6,620億円)から150億ドル(約2兆2,670億円)に増やすことを求めている。