Web3.0コンサル企業のfinojectは17日、日立製作所・NTT Digital・野村ホールディングスなど12社と共同で、暗号資産(仮想通貨)を始めとするデジタルアセット市場におけるAML(アンチ・マネー・ローンダリング)対策の高度化と効率化を目指す実証実験を開始したと発表した。
この取り組みでは、企業間でのデータ共有や分析の共同化を図り、AMLの精度向上と業務効率化を検証する。参加企業にはJPYCや暗号資産取引所を運営するビットバンク、分析企業のChainalysis Japan(チェイナリシスジャパン)などといったWeb3.0関連企業も参画する。
実証実験の背景には、暗号資産やステーブルコイン、NFTなど、急速に拡大するデジタルアセット取引の安全性向上と、Web3.0市場の健全な発展促進がある。
こうしたデジタルアセットの市場規模は年々拡大し続けているが、その一方でマネー・ローンダリングなどの金融犯罪に使用されるケースも増えており、国際的な対策が強化されている。その結果、現時点で個別対応によるコスト負担の増大、AML専門人材の不足、技術と規制の両面でのノウハウ不足といった課題を抱えており、AML対応の高度化が急務だとfinojectは指摘する。
今回の実証実験は2月から4月にかけて実施される。AML業務のなかでも特に重要な取引モニタリング業務を対象とし、専用プラットフォームを活用した情報共有・分析を行うとしている。その上で、finojectは自社の強みを活かし、実証実験の設計と評価結果の分析といった役割を担うと述べている。