ギャラクシー・リサーチ(Galaxy Research)は、15日に米大統領候補者の暗号資産業界に対する姿勢にもとづいた「政策スコアカード」を発表した。このカードによると、カマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領が大統領選に勝利すれば、業界の下振れリスクは限定的なものになり、それは現在のバイデン(Joe Biden)政権よりも有利になることを示唆している。
しかし、元大統領で候補者のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は暗号資産(仮想通貨)に対して最も好ましい姿勢を示し、米国をビットコイン(BTC)大国にするとも宣言している。
ギャラクシー・リサーチの研究責任者アレックス・ソーン(Alex Thorn)氏は、Xでの投稿で、「トランプ氏は間違いなく業界にとって好ましいが、ハリスがバイデンよりも業界を支援してくれると楽観視している」と述べた。
続けて「分析によると、ハリス氏が勝利した場合の下落リスクは限定的であり、トランプ氏が勝利した場合は爆発的な上昇が見込まれる。規制に関する議題がほとんどないため、ビットコインは結果にかかわらず好調に推移するはずだ。アルトコインはハリス氏によるリスクに直面しており、トランプ氏によるパフォーマンスが上振れする可能性がある」と言及した。
なお、この分析は公式声明、キャンペーン関係者から得た情報、公的及び私的なキャンペーンからのシグナルの検討にもとづいているという。
大統領選挙ではトランプ氏が「米国を世界の暗号資産の首都にしたい」と述べた一方で民主党のハリス氏は業界について比較的静観している。バイデン政権下では、SEC(米証券取引委員会)が暗号資産に対して、強権的ともいえる規制措置をとっており、暗号資産業界企業に対して100件以上起訴している。トランプ氏は7月にゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長を解雇すると約束した。
9月に入りハリス氏も暗号資産に関する取り組みを強化し、ブロックチェーン技術を米国が世界で支配的である。続けるべき新興技術であるとした。ギャラクシーは「水面下ではハリス氏がバイデン氏よりも建設的なアプローチを目指している」と述べた。
10月に入り、SECの執行責任者であるガービル・S・グレワル(Gurbir.S.Grewal)氏が辞任した。これは現政権が暗号資産業界に対する姿勢を変えてきたことを意味している。

▶アレックス氏のXから引用
ポリマーケットではトランプ氏が逆転
一連の報道を受けて、分散型予測市場ポリマーケット(Polymarket)では、トランプ氏がハリス氏を10ポイント上回っている。これは9月の予測と比較して大きく逆転した結果となった。ポリマーケットの最新の予測結果では、トランプ氏が大統領選で勝利する確率が55%となりハリス氏の45%を上回った。
トランプ氏は6つの激戦州のうち4州でハリス氏を逆転した。アリゾナ、ジョージア、ミシガン、ペンシルベニアで優勢となっている。
参考:Galaxy Research
画像:Shutterstock
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