カマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領と副大統領候補のティム・ウォルツ(Tim Walz’s)氏の選挙対策チームは、Web3.0とDeFiのリーダーたちからブロックチェーンと暗号資産(仮想通貨)市場のイノベーションを支援する措置を議論するための会合の開催を要請する書簡を受け取った。
1日にハリス陣営に送られたこの書簡には、国家政策ネットワーク・WOC(Women of Color)ブロックチェーンのクレーブ・メシドール(Cleve Mesidor)氏や、黒人女性ブロックチェーン評議会のオリンカ・オデニラン(Olayinka Odeniran)氏、プエルトリコ・ブロックチェーントレードアソシエーションの共同創業者兼エグゼクティブディレクターであるヨシノ・ケイコ氏など、Web3.0業界の20名以上が署名した。
同グループは、Web3.0とDeFiのイノベーションを可能にする規制環境に関する議論において、ハリス氏の参加を呼びかけた。
同時に、投資家保護、金融アクセス、資本蓄積を促進する規制の制定も求めている。
同グループは書簡のなかで、ハリス氏に「米国でイノベーションを促進するWeb3.0・DeFiの政策及び規制の枠組みの重要性について議論する。ブロックチェーンや暗号資産などの変革をもたらす新興技術は、経済成長と雇用成長を促進することができる。ステーブルコインや国境を超えた決済インフラのイノベーションは、起業家、新興企業、商売人の事業にかかる高額なコストを軽減し、グローバルな競争を可能にする」と言及。
一方で、「公平な競争の場を持つ経済を確保するには、政府は消費者保護対策と金融包括及び資本形成を促進する政策とのバランスを取らなければなりません」と続けた。
2020年12月にも、バイデン(Biden)、ハリス陣営に公開書簡が送られ、包括的な政策立案を求める動きがあった。また、2021年1月には3人の議員を招き、ブロックチェーン就任フォーラムを開催。さらに2021年9月には米上院銀行委員会の筆頭理事パット・トゥーミー(Pat Toomey)氏から暗号資産とブロックチェーン技術に関する法律の明確化に関するフィードバックを求める要請に応えてきた。
今回のWeb3.0、DeFi会議への参加要請は公的なものであり、前回の同団体が行ったアウトリーチのフォローアップとなる。
メシドールらは、「黒人、ラテン系、アジア系アメリカ人、先住民コミュニティは、暗号資産を最も早く導入し、現在も最大の導入者だ」と主張する。
さらに、「2兆ドル規模の市場が拡大するなか、消費者保護戦略と経済的機会を促進する提案のバランスをとるために、人種プロファイリングに根ざした伝統的な父権主義的アプローチではなく、すべての市場参加者のリスク軽減とガードレールに焦点を当てることを強く推奨する。富の創出は、全国の世帯、消費者、非伝統的な個人投資家の目標だ」と強調した。
現在、暗号資産が伝統的な金融システムに含まれていないことに懸念を示し、方向転換を呼びかけている。また、あたらしい「中小企業庁(SBA)新興技術及びデジタルエクイティローンプログラム」創設などを通じて、多用なWeb3.0スタートアップ企業や起業家がより多くの資本にアクセスできるようにすることを求めた。
あわせて、デジタル資産に関する金融教育の強化を求め、そのための資金提供を消費者金融保護局に求めている。
選挙戦で無視できない暗号資産
現在、暗号資産は米大統領選の争点にもなっており、無視できない存在になっている。先週、ハリス氏は80ページに及ぶ経済計画のなかで、「政権は消費者と投資家を保護しながらAIやデジタル資産などの革新的な技術を奨励する」と述べた。
共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)元大統領も、米国の暗号資産に対する「違法で非米国的な取り締まり」に終止符を打つと公約をしており、業界に有効的な姿勢を示している。
それでもハリス陣営はバイデン大統領の暗号資産に対する否定的な姿勢を覆すかどうか鮮明にしていない。この会議に参加することで、Web3.0に対する何らかの姿勢を示す可能性がある。
参考:書簡
画像:Shutterstock
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